一陣の光s recensionslista

いつもの日常へ、ささやかなファンタジーを
組み込んだら・・・”園田ゆり”先生、表題作
22のエピソードをまとめた単行本。
印象に残ったエピソードは、”先生”のお家で
プリンをほうばる”きつねくん”。突然の夕立
で洗濯物をとりこんだ”きつねくん”でしたが
・・・な、「せんたくもの」。作品の世界観
が良くわかる、エピソードでした。
読んでいて感じたのは、癒される、作品世界
の空気感。日常の、さり気ない出来事を繊細
に描いていることが強く、印象に残りました。

獣人な男の子と、幼馴染な女の子との
ほのぼのした関係が楽しめる”たぶん”
先生、表題作・第1話～第16話に特別
編を収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、身体は小柄
でも大らかなヒロイン・”高橋ヒナ”と
獣人な男の子”犬飼ポチ”。二人の関係
性がわかる「第2話 雨のちお風呂」。
読んでいて感じたのは、キャラクター
デザインこそ獣人ですが、その内面は
思春期・真っ只中な男の子として描か
れているので、違和感なく読めるとこ
ろだと感じました。
ほのぼのした読後感が堪能できる一冊。

”南条”課長が海外転勤する事になり、二人の関係
が大きく動く、”梨尾”先生の表題作・28膳目から
40膳目と特別編を収録した、三巻目・最終巻。
印象に残った収録作品は、”南条”課長がお見合い
することになり、何故か動揺している”保志実里”
な、28膳目「生ハムは、ちょっとしょっぱい。」。
読んでいて感じたのは、相手を想う、ということ
よりも「ご飯のおとも」を求道してゆく二人の姿。
”南条”課長・”保志実里”らしい結末でまとめられ、
安心感のある大団円を迎えた、と感じられました。

先に上梓された成人向け作品でも設定やキャラに
他の作家にはない独自の『匂い』があり、際立っ
た個性が存在していた”幾花にいろ”先生。一般向
け短篇作品においても『匂い』があり、収録され
ている短篇「捨てられないひと」でも、その個性
がいかんなく発揮されていました。ストーリーは
引っ越しの為に、荷物の整理をしていたヒロイン
の女性が、借りっぱなしの本を見つけ、持ち主に
想いを馳せる・・・・という展開になっています。

”みやお”先生と”夏芽ももの”先生の、二人組
漫画描きユニット”sonno”による、表題作の
1話～10話、特別編的一作品と、本巻描き下
ろし一作品を収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、”花白貴咲(きさき)”
と”馬場宙斗(ひろと)”が、衝撃的な出会いを
果たす、「1話」。
読んでいて印象的だったのは、財閥のご令嬢
でPCに囲まれた環境に育った為か、頭脳明晰
ながら生活力皆無な”貴咲”を、対人コミュニ
ケーション能力に優れ、家事全般をそつなく
こなす”宙斗”が支えてゆく流れ。また、感情
を表情に出さないというキャラ設定の”貴咲”
ですが、表情の描き込みが巧みで、情感豊か
な作画が施されており、楽しめました。
『設定』の良さが楽しめる、表題作の一巻目。

歳時記を取り入れて、周りの人たちとの関係や
つながりを丁寧に描写している”桑佳あさ”先生
表題作・第44話～第52話と特別編を収録した
六巻目。
印象に残った収録作品は、”ひなた”宛てに、上
級生”富子”から電話がかかってきて、二月十四
日のバレンタインへ向けて”ひなた”にお願い事
を・・・な、第46話「ドタバタ的バレンタイン」。
読んでいて印象的だったのは、季節的な行事や
歳時記を取り入れながら、”ひなた”と、周りの
人たちとの、関わり合いや、つながりを浮かび
上がらせる描写力の繊細さ。”ひなた”を通して、
”桑佳あさ”先生の、お人柄がしのばれる、一冊。

緩やかに、関係を育んでゆく”田中信子”と”入江”が
眩いばかりの輝きを見せる、”田村茜”先生の表題作
第16話～第20話、特別編を収録した、四巻目。
印象に残った収録作品は、自分の気持ちに、真正面
から向き合ってきた二人の真摯な回答は・・・・な、
「第19話」。
読んでいて印象的だったのは、派手さやけれんみの
無いストーリーが放つ、眩いばかりの輝き。緩やか
に流れてゆく時間の中から、関係を育んでゆく二人
が真摯に描かれており、読み手を惹きつける不思議
な魅力がありました。
新たなステージへと進む二人を応援したくなる一冊。

『鬼の風紀委員長』と言われている、堅物な
ヒロインが、父親の急死で家業のお店を継ぐ
ことになる・・・”あずまゆき”先生、表題作
第1話～第6話、2012年に執筆された特別
読み切り一作品を収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、父親の急死によっ
て、それまで、余り行き来の無かった家業の
お店を継ぐことになった”杏咲(あずさ)”。幼
馴染の”護(まもる)”と、二人で切り盛りする
ことに・・・・な、第2話「未知との遭遇」。
お店で取り扱っている『商材』の知識が無さ
すぎる”杏咲”が印象に残る、お話でした。
読んでいて感じたのは、”あずまゆき”先生の
キャリアを感じさせる、ストーリー展開の妙。
無理のない話運びに、きっと驚かれると思い
ます。
ヒロイン”杏咲”を支えていこうとする”護”が、
頼もしく感じられる、軽快な読み心地の一冊。

派手なルックスと言動で、周囲の人から誤解
されてしまうヒロイン”まこと”と、クラスメ
ート男子”柏木”、お隣さん”山田”との関係が、
絶妙なバランス感覚で展開される”玉姫なお”
先生、表題作・8話～14話と、番外編的短篇
2本を収録した、二巻目。
印象に残った収録作品は、イマイチ、成績の
良くない”まこと”が一念発起、クラスメート
男子”柏木”と、お隣さん”山田”から勉強を教
えてもらうことに・・・な、「8話」。イイ
雰囲気になる”まこと”と”山田”が記憶に残る、
お話でした。
読んでいて感じたのは、根は優しくて家庭的。
なのに、誤解されやすい、王道『ツンデレ』
ヒロイン”まこと”の存在感。彼女の、乙女な
反応が本作を強力に、けん引している、と読
んでいて感じました。ますます、可愛くなる
”まこと”から目が離せない、表題作の二巻目。

商店街にある喫茶店を舞台に、店主とその弟、
店主目当てに通う、幼馴染の女性を中心とし
て、喫茶店の常連客、商店街で働くの人々の
日常を描いた”松田円”先生、表題作・全20話
を収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、キリリとした仕事
中の姿からは想像できない、女性に惚れっぽ
くて、恋愛関係が長続きしない喫茶店の店主
な男性と、彼の幼馴染で、密かに店主を慕っ
ている”夕子”、店主の弟との間柄が伝わって
くる「第1話」。
読んでいて印象的だったのは、”夕子”の想い
が理解できていなさそうで理解できている様
な”店主・将一”。彼の揺れ動く気持ちが、本
作品をけん引している、という印象を抱きま
した。
揺れ動く、繊細な感情を、丁寧に描いた一冊。