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「東方入眠抄14 クラウンピースのドキドキ★狂気催眠」 へのレビュー
2017年06月11日 伊達さん さん
このレビューは参考になった x 3人
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東方についてあまり知識がないため、このシリーズを避けていたのだけれど、純粋に入眠/安眠向けにチューンされた催眠音声(少ないですよね?)が欲しくなって聴き始めた。 5作品ほど聴いてみたところで、とりわけ気に入ったのがこの作品。 作品の魅力は何と言っても個性的すぎるキャラクターだろう。 このシリーズは催眠音声にお馴染みな注意事項からもう楽しませようというのが伝わってくるけれど、今回は特に飛ばしている。 全開で笑わせに来て意表を突かれるが、しかしここからこの妖精はもう聴き手を自分の世界へと誘い始めているのだろう。 何しろ地獄に連れていってだの狂わせるだのと物騒なことを言われる。 術者を信頼できることが大切な催眠音声というジャンルでは、なかなかないことだ。 だから笑いを媒介にして聴き手との距離を自然に詰めているのだろうな。 本格的に催眠に入ってからのギャップも魅力的で、ここは声の演技が光る部分。 それまでの脳天気なノリと打って変わって、切なく悲し気な、庇護欲を掻き立てるようなところを見せてくる。 翻弄されるように深いところに降りていくと、そこで今度は甘く包むような表情を見せてくる。 そこまで長くない尺の中でくるくると場面を切り換えながら、巧妙にイメージを誘導して催眠状態へ導いていく。 催眠を邪魔しない音楽使い、リヴァーヴエフェクトといった部分もサークルさんが継続して用いられている手法だけに、うまく溶け込んでいる。 魅力的な寝物語のように様々な感情を味わって、最後には気持ちよく眠りへと落ちていく。 目が覚めると切なくも楽しいひと時を過ごしたことを憶えていて、そこにコロコロ変わる表情の可愛らしい少女がいた気がする。 また夢で逢えたら、そう思って、眠りしなにこの作品を聴き始める。
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