ボーダー×ボーダー 下

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ボーダー×ボーダー 下 [ロールシャッハテストB]
販売日 2022年11月29日
シリーズ名 ボーダー×ボーダー
カップリング
作者 まさみ
イラスト ダム穴 / 墨矢
年齢指定
作品形式
ファイル形式
PDF
その他
ページ数 366
ジャンル
ファイル容量
2.01MB

作品内容

あらすじ

『学校に爆弾を仕掛けた』
「は?」
『とめてくれないか、俺を』
大晦日、家にかかってきた一本の電話が平凡な高校生・秋山透をトラブルに巻き込む。学校に爆弾を仕掛けたてこもった親友・麻生譲をとめるため透は走る。タイムリミットは0時、はたして彼は間に合うのか。

タイムリミテッド学園ミステリ『ボーダー×ボーダー』完結編。
高校生→大学生→社会人の番外編も収録しています。

一部暴力・モブ○・攻めリバ(攻めが凌○されるシーン)有
後半は監察医麻生×ミステリー作家秋山のラブラブ同居生活です。

上巻 https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ438131.html

◆目次◆
「ボーダー×ボーダー後編」
「踊り場で昼食を」
「サンクチュアリ」
「オーバーライン」
「冬の匂い」
「リバーズエッジ」
「スタンド・バイ・ミー」
「トライアングル」
「駄菓子屋で間食を」
「俺の被害者」
「ターニングポイント」
「先生の手料理」
「ライフライン」
「モヒートの夜」
「3Kのスペル」
「エンドロール」
「夏が開く」
「ゴールライン」

作者Twitterアカウント https://twitter.com/wKoxaUr47xGeAZy
@wKoxaUr47xGeAZy
(作品の裏話や情報を更新しています)

登場人物紹介

ボーダー×ボーダー 下 [ロールシャッハテストB]

上 麻生譲(攻)
地方都市の男子校に通うクールな高校生。趣味は読書。大晦日の夜に学校に爆弾を仕掛け立てこもる。人を寄せ付けない冷淡な毒舌家だが秋山だけは例外。

下 秋山透(受)
麻生の同級生でミステリー同好会の部長。母子家庭育ち。お人好しでまっすぐな正義感の持ち主。

モヒートの夜(イラスト:墨矢様)

ボーダー×ボーダー 下 [ロールシャッハテストB]

今日の仕事は疲れた。

「いらっしゃい」
軽快に鳴るベルが来店を告げる。
飴色に磨き抜かれたカウンターの向こうから、黒いベストをきちんと着こなした中年のマスターが会釈を送ってくる。
グラスをフキンで拭いて片付け、あるいは客の注文に応じカクテルを作り、忙しく立ち働くマスターに会釈を返して指定席のスツールに掛ける。
コートを脱いで隣のスツールに置き、早速注文する。
「モヒートを一杯」
「かしこまりました。砂糖控えめのレシピですよね」
「ああ」
マスターが礼儀正しく承り、タンブラーにミントの葉とライム数滴に砂糖を加える。それをバースプーンで潰し、ラムとソーダ水を注いで攪拌。甘いの苦手な場合は砂糖の量を調節するが、ライムと砂糖は多めに入れたほうが全体に厚みがでる。
もう何回も見てるので手順はすっかり覚えてしまったが、なめらかにシェイクする手付きに感心する。アーネスト・ヘミングウェイが愛したカクテルともいわれ、俺も味が気に入ってる。
「どうぞ」
「ありがとう」
マスターができあがったモヒートをグラスに注ぎ、最後の一滴を切る。カウンターに滑らされたグラスを掴んで一口煽り、柑橘系のキレのある味を楽しむ。
この店で最初に頼むのは大抵の場合モヒートと決まってる。それにはわけがある。このバーでモヒートを頼むのには、特別な意味があるのだ。
見た目は透明なカクテルで、氷が涼やかな印象を醸し出す。アクセントとしてグラスに添えられたミントの葉が、鮮烈な色と爽快感を付与する。

本文サンプル

今度スクリーンに映し出されたのは見知らぬ部屋。
フローリングの清潔な床、快適に広い空間……どこぞのマンションの一室か?
白い壁紙を貼った部屋に、太い男の声が響く。
『お仕置きだ』
カメラの視線が下りる。
床に全裸の少年が這い蹲ってる。
「…………な………」
『苦しいか?』
聞き覚えある声が笑みを含ませ問うも、少年は答えない。答えられない。口に棒状のギグが嵌められている。
形良い唇を割ったギグの奥から荒い息とくぐもった唸りが漏れる。
『……ふぐ………ふっ……』
ギグ。目隠し。長い前髪の奥、両目は黒い布で覆われている。
金属のギグを噛まされた口から犬みたいに涎がぼたぼた流れる。
目隠しで覆われていても、怜悧に通った鼻梁から端正な顔立ちが想像できた。
何故だか既視感が騒ぎ出す。
『お前用に誂えたギグの味はどうだ。金属の冷たい味がするか。個人的にボールギグよりこっちのほうが好きなんだ、ボールギグは容積が大きすぎて顔まで変わっちまうからな』
イヤだー思い出すなーこの声は
全裸で這い蹲った被写体の頭に骨ばった手をおく。
髪をかきまぜていた手が顔に移り、唇をねちっこくなぞる。
『どんな感じだ。息が吸えなくて苦しいか』
『………ふ………、』
『我慢しろ。約束をすっぽかした罰だ』
罰?
約束?
カメラの角度が変わる。目隠しされた被写体の後ろに回りこむ。
さっきから続く低い電動音の正体……被写体の後ろに黒く巨大なバイブレーターが突っ込まれ振動を続けている。
『ー!っぐ、』
被写体がいきなり仰け反る。
カメラを持った人間がバイブレーターをひっ掴み、乱暴に抜き差しを始める。
グロテスクな形状のバイブで体内をかき混ぜられ、汗で濡れそぼった髪で顔を隠し、懸命に震えを堪えている。
『もっと奥を突いてやれ、そう……抉りこむように、手首に捻りをきかせて』
『ぐ、ぁぐ、ふ』
喘ぎ声はギグに遮られ濁る。
目隠しに遮られ表情は読めないが、涎に濡れ光る半開きの唇と、苦しげに寄せた眉が倒錯した色気を垂れ流す。
ぐちゃぐちゃと卑猥に捏ねる音。
バイブレーターの振動が強くなり背中の筋肉が張り詰める。
『下はどうだ?』
自重を支えられず倒れこんだ被写体の股間に手を突っ込み、無造作に掴む。
『……こんなに固くして……』
カメラが正面を向く。
そこにいる人物を見て、敷島ともども絶句。

「梶」

数学教師の梶がいた。
目隠しされギグを噛まされ、バイブで責められる被写体の股間を邪悪な笑みでまさぐっている。
淫猥さと狡猾さを織りまぜた含み笑いが既視感を揺さぶり起こす。
「梶先生が……?これは一体どういうことだ………」
敷島が息を飲む。
『イきたいか?バイブレーターで責められてこんなになるなんて真性の淫乱だな、お前は。こんな悪趣味なオモチャで感じるのか?』
嘲笑を含む揶揄が耳朶に触れる。
梶が白い歯を零し、非情な手で被写体の前をしごく。
『ふ、ふっ、ぁぐ』
鑢をかけるようにきつく擦り上げるも、根元をベルトで縛られてるせいで射精に至れず嗚咽が喉に詰まる。
『何か言いたそうだな』
塞き止められ赤く怒張した性器をいじくりつつもう片方の手でギグを外してやる。
涎に塗れたギグが外れるや息を吹き返し、激しく咳き込む。
目隠しはされたまま、しかし枷が取り除かれ自由になった口を動かし、途切れ途切れに懇願する。
『……イ……かせて………』
『もう一回』
『イかせてくれ……』
からからに嗄れた声。
梶はわざと意地悪くとぼける。
その膝に縋り付き、上体をずりおこし、バイブの動きに合わせ腰を揺すりながら言う。
『心がけ次第だな』
梶の指がしつこく唇を這う。
薄く唇を開き、その指を咥え、赤ん坊のように無心にしゃぶる。
唇の隙間から覗く舌が淫らに赤い。
根元まで涎まみれにした指を放し、梶の股間を探りあて、性急にジッパーをおろし、下着の隙間からそれを掴み出す。
抵抗なく口に含む。
右手で根元を支え、左手を添え、夢中で舌を絡める。
床に転がったギグ。
体内で暴れ回るバイブの凶暴な唸り。
後ろをバイブで責め立てられつつ前の口でも奉仕する。
『は……従順だな……なんであの日はさからったんだ?お前らしくない。俺の呼び出しは絶対だ、そうだろ』
呼び出し。あの夏の日。深夜、麻生にかかってきた電話。
俺が駄々をこねたから
止めたから
行かないでくれと頼んだから
「やめろ」
『新しくできたお友達とワイワイ遊んでるうちに自分の立場を忘れちまったか?』
梶が征服者の愉悦に満ちて笑い怒張を咥えこむ被写体の髪をゆっくりかきまわす。
目隠しの向こうで苦痛に顔が歪む。
唇が艶っぽく濡れ光る。
手と連動し性器に舌を這わせ、絡め、繊細な技巧を凝らし劣情と性感を高めていく。
完全に一方的な奉仕。
盲目の犬のような。
絶対服従のドレイ。
『は…………』
性器を掴んだ手が止まる。
バイブの唸りが一層高まる。
被写体が前屈みになり、肩が不規則に跳ねる。
『前………ほどけ……』
感電したように跳ねる肩。
ベルトで圧迫され意地悪く塞き止められた前は、下腹に付くほど反り返っている。
『俺に命令か?ほどいてほしけりゃ最後までやりとおせ』
痛みを堪え、再び舌を使い出す。
先走りの汁を啜り、唾液と混ぜてこね回し、喉の奥まで深く咥えこむー……
『ーッ、』
梶が顔をしかめる。射精の瞬間、被写体の前髪を強く掴む。
咄嗟に口から抜こうとするも間に合わず、黒い目隠しの上に大量の白濁が飛び散る。
『いい子だ』
梶が手をのばし目隠しを毟り取る。
外気に晒された顔は、俺のよく知る……

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