インセスト・タブー

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インセスト・タブー [ロールシャッハテストB]
販売日 2022年11月28日
シリーズ名 タンブルウィード
カップリング
作者 まさみ
イラスト 能戸
年齢指定
R18
作品形式
ファイル形式
PDF
その他
ページ数 36
ジャンル
ファイル容量
514.49KB

作品内容

あらすじ

現代アメリカ風の世界が舞台のオメガバース。
娼婦の母から生まれた種違いの二歳差兄弟、ピジョンとスワロー。
兄のピジョンは心優しく真面目な好青年だが、母譲りのΩとして生まれ、思春期をむかえてからずっと自分の体質に悩まされていた。

弟のスワローは破天荒な天才肌。
父譲りのαとして生まれ、Ωの兄に激しく執着する。

ピジョンはままならない火照りを癒すため、求められるがまま仕方なく弟と関係を結ぶのだが……。

元々書いていた作品「タンブルウィード」の現代オメガバースパロです。これだけでも読めます。

俺様執着攻めα弟×ヘタレ健気受けΩ兄

作者のTwitterアカウント @wKoxaUr47xGeAZy
(作品の裏話や情報を更新しています)

登場人物紹介

インセスト・タブー [ロールシャッハテストB]

右 ピジョン・バード(受)
娼婦の私生児として生まれた心優しいΩの少年。泣き虫弱虫なヘタレで行く先々で悪ガキどもに絡まれる。二歳違いの弟・スワローのアプローチにたじたじ。

左 スワロー(攻)
ピジョンの種違いの弟。母譲りの美貌に恵まれた破天荒なαで俺様ドS。物心付いた頃より一緒に育ったピジョンに執着し、積極的に体を求めてくる。

本文サンプル

この世界には三種類の人間が存在する。αとβとΩだ。

ピジョンの母親はΩの娼婦だった。
母は父親の異なる子供を2人産んだ。先に生まれたのがピジョン、二年後に生まれたのがスワローだ。しかし母親のΩの体質を受け継いだのはピジョンだけだった。
ピジョンが身体の変化に気付いたのは15歳の頃だ。その頃初めてのヒートが訪れた。
発情期はΩにとって避けて通れない症状だ。
この期間にさしかかったΩは日常生活に障りをきたすほどの脱力感と倦怠感に苛まれ、不可抗力のフェロモンでαやβを誘惑する。

『母さん顔赤いよ、大丈夫』
『大丈夫よピジョン。心配してくれるの、優しい子ね』
『辛いなら休んでた方が……』
『いいのよ、仕事してたほうが火照りがまぎれるわ。表に待たせてるお客さんを呼んできて』

母はスラム街のトレーラーハウスで客をとっていた。
セックスの技巧と美貌で人気を博した母のもとにはβやαの男女が日々詰めかけ倒錯した情事に溺れた。
若く美しい母は、けれど番を作らなかった。
その理由を息子たちが問うたびイタズラっぽく微笑んで、2人を抱き寄せてこう言うのだ。

『ママのいちばんはアナタたちだから』

Ωが発情期の宿命から逃れるにはαと番になるしかない。
されど息子たちを心より愛する母はパートナーに関心を移すのを是とせず、蒸発する前日までピジョンとスワローを想っていた。

『だれか1人に縛られるのは嫌なの、全ての不幸を生まれのせいにして運命に服従するのもね。それより沢山の人と気持ちいいこと愉しみたいわ』

母は天性の娼婦だった。娼婦は彼女の天職だった。彼女は人生を楽しんで愉しみ尽くして、そうしてピジョンとスワローの前から消えた。
母が消えたあと、ピジョンは母の知人であるダウンタウンの神父に引き取られた。
神父はピジョンの良き理解者にして後見人であり、将来は児童福祉の道に進みたいというピジョンの夢を応援し、カレッジの学費まで出してくれた。


黄色いタクシーが道路を駆け抜け、信号がかまびすしく点滅する猥雑な街並み。コンクリ壁を埋め尽くすグラフティを巨大な書割に見立て、スケボーに乗ったティーンエイジャーが宙がえりをきめる。
大学の構内を出た足でダウンタウンを歩きながら、ピジョンは心理学の本を読んでいた。大学の図書館で借りた本だ。レポート提出の期日が迫っているのもあり、勉強には一層熱が入る。
「思春期の準備段階として児童期後半を移行期と称する。また9歳から11歳にかけてを仲間意識を身に付けるギャングエイジ、運動神経を伸ばすゴールデンエイジと称す……へえ、面白いなあ。確かにあの年頃の悪ガキはギャングみたいなイタズラするよね」
分厚い専門書のページをめくり、行間の密な記述に感心する。次いで思い出すのは弟の記憶だ。
「スワローにも手を焼かされたっけ」
いや、現在進行形か。
反抗期の弟の悪辣さを回想し、苦笑いで独りごちる。
走行車の排気ガスが路上のごみを吹き散らし、ピンクゴールドの繊細な髪をなでゆく。
「おっと、」
めくれたページを押さえると同時、ピジョンの足元に何かが当たる。バスケットボールだ。ふと見上げればコンクリ打ち放しのバスケットコートで、カジュアルな服装の悪ガキたちがゲームに熱中している。
「とってー」
金網で区切られた向こう側、オーバーサイズのトレーナーを着た少年に両手で催促され、ピジョンは「OK」と気さくにこたえる。栞を挟んで本を閉じ、それをご丁寧にリュックにしまってから両手でボールを抱えてトスする。
この位置からバスケットボールまではかなりの距離があるが、もし一発でシュートがきまったらカッコいい。
そんな出来心が芽生えてボールを投げた結果、長大な放物線を描いて金網をとびこえ……られず、がしゃんとど真ん中に当たる。
「惜しい、失敗」
転々とはねて戻ってきたボールに頭をかく。ピジョンの間抜けさにコートに散らばった少年たちはドッと沸き、それに怒るでもなくお人好しな苦笑いを浮かべ、今度は無理せず金網の手前まで行ってボールを渡す。
「どうぞ」
「サンキュ」
試合が再開し、少年たちがボールを追って走り出すのを微笑ましく見守る。
その時だ。
「ッ……!?」

『アレ』がきた。

本文サンプル

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    4ページ

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