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サークル名 | ロールシャッハテストB |
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販売日 | 2022年11月28日 |
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シリーズ名 | 霊姦体質 |
カップリング | |
作者 | まさみ |
イラスト | つるよし |
年齢指定 | |
作品形式 | |
ファイル形式 | |
その他 | |
ページ数 | 38 |
ジャンル | |
ファイル容量 |
634.79KB
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- (295.74KB)
作品内容
異形の触手×化け物の苗床にされる少年の鬼畜オカルトBL
事故で両親を亡くし疎遠だった祖母に引き取られた茶倉練(ちゃくら・れん)。
祖母の世司(よし)は平安時代から続く拝み屋一族・茶倉家の女刀自で、後継ぎの孫を厳しく躾ける。
学校にも家にも馴染めず息苦しい暮らしを強いられる中、練にとって唯一の気晴らしは幽霊の友達と交わり遊ぶことだった。
ある日茶倉家の「呪い蔵」で悪戯の現場を踏み押さえられた練は、茶倉一族が飼っている得体の知れない神様、「きゅうせん様」の苗床になるべく地下牢に送り込まれ……。
(ホラー/オカルト/ショタ/無理矢理/人外/触手/異種姦/監禁)
自作BL小説「霊姦体質」シリーズの登場人物・茶倉練の過去編にあたります。これだけでも読めます。
高校生編
「鳥葬学園」(長編)
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ437972.html
社会人編
「霊姦体質」(一話完結短編シリーズ)
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ437989.html
「九泉呪牢」(長編)
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ437974.html
作者のTwitterアカウント https://twitter.com/wKoxaUr47xGeAZy
@wKoxaUr47xGeAZy
(作品の裏話や情報を更新しています)
登場人物紹介
プロローグ
茶倉邸は元禄年間に建てられた屋敷だ。
見た目は伝統的な日本家屋で、重厚な数寄屋門の左右に瓦を冠した白塗りの土塀が伸びている。
三百坪におよぶ広大な敷地には松・椛・桜・棗・柘植・躑躅・椿・棗ほか多種多様な庭木が植わり、見事に剪定された枝を広げていた。
等間隔に並ぶ石灯籠は春ともなれば春霞に煙る薄紅の桜を、夏には猛々しいまでに緑萌える若葉を、秋には絢爛に散り敷く紅葉を、冬には静謐な雪を纏い、四季折々の背景に幻想的なシルエットを際立たせる。
「ただいま帰りました」
坪庭の鹿威しが手水鉢を打ち、玄関の引き戸が軽快に滑る。礼儀正しく声をかけるも答えはない。出迎えが来ないのは慣れていた。
脱いだ靴をきちんと揃えて家に上がる。自室としてあてがわれた和室に直行し、学習机横のフックにラ○ドセルを掛ける。
宿題を終えると暇になった。大きく伸びをする左手には数珠がはまっている。
『せんせー、茶倉くんが学校にいらないもん持ってきてるー』
『いいのアレ。お葬式で使うものでしょ、勝手に持ち出しちゃいけないんだよ』
余計なお世話じゃボケカス。ミサンガやリストバンドしとるヤツはようけおんのに、なんで数珠はあかんねん?
今日の出来事を回想し、鼻と上唇にシャーペンを挟んで渋面を作る。
『茶倉くんはどうして数珠をしてくるのかな。先生に教えてくれる?』
教え子のご注進を受け、猫なで声で詮索する担任に鼻白む。練は年不相応に聡い子だ。自分が扱いにくい生徒であるのは理解していた。とはいえ学校の成績は上々で、全教科90点以上を維持している。
担任が練を問題児と見なす理由は、彼がこの年で両親と死別し転校を余儀なくされ、周囲に心を閉ざしているからに尽きる。
もっとも練には練の言い分があった。
彼がごく早い段階でクラスに溶け込む努力を放棄したのは、関西弁をからかわれたから。『変な言葉』『芸人みたい』と嗤われカチンときた。
訛りをいじる友達はいらん。
それが練の出した結論だ。
案の定、孤立した。
通知表の備考欄には、毎度判で押したように『成績は非常に優秀なものの集団行動が苦手で協調性に欠けます』と書かれた。
面倒くさくてかなわん。
だから今日、授業終わりに担任に捕まえられ、左手に数珠をして登校する理由を聞かれた際に切り札を使った。
『お母さんの形見なんです』
練は器量よしの自覚があった。しおらしい伏目で母性本能をくすぐる打算も働く。
その一言で、担任は練の味方になった。
帰りがけに教室を覗いてみたら、転校生の数珠が校則違反でないか告げ口した教え子たちを、真剣な表情で諌めていた。
『茶倉くんはとても辛い体験をしたの。あの数珠は亡くなったお母さんの形見なんだから、そっとしといてあげなさい』
『は~い……』
担任に叱られうなだれる同級生たちを一瞥、留飲を下げてほくそえむ。
大人はちょろい。
世の中なめれば結構甘い。
甘くないのは祖母だけだ。
|茶倉世司《ちゃくらよし》は刀自である。
先祖代々退魔師を営む茶倉家の現当主として絶対的権勢を誇り、財政界のお偉方ともコネクションを持っている。
傘寿の今なお矍鑠とした物腰と怜悧に冴え渡る眼光は、微塵も衰えを感じさせない。
世司には十代で出奔した一人娘・|環《たまき》がいた。彼女は先天的に耳が聞こえなかった。
とはいえ茶倉の一族において、それは決して珍しい事ではない。茶倉の人間は五体満足で生まれてくる方が少数派だ。
彼等は神仏、あるいは物の怪に体の一部や感覚の一部を差し出す代わりに強い霊感を得てきたのである。
即ち、先祖が人外と契約を交わしたのだ。
環は大人しく従順な箱入り娘であり、いずれ母の決めた縁談に臨み、婿養子を迎える予定だった。
が、逃げた。