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作品内容
警視庁捜査一課の刑事・田所雄作に課せられた極秘指令は、失踪した政治家の子息を奪還すること。身分を隠し潜入した先は、山奥にある女人禁制の寺だった。長編官能ミステリー
【あらすじ】
ノンキャリアながらボクシングで鍛え上げた強靭な肉体と頭脳を合わせ持った、警視庁捜査一課の敏腕警部・田所雄作。ある日、上司の一条警視から極秘指令を言い渡される。それは、失踪した有名国会議員の息子を内密で捜索し、ひそかに家族のもとに連れ戻すこと……。
新宿二丁目のバーで得た手がかり元に、田所が潜入することになったのは、九州の山奥深くにひっそりたたずむ「男王寺」の別院「奥ノ院」。女人禁制を貫く、修験者のためだけの謎の寺だった。
ふもとにある表玄関の「本院」では、いきなり住職の手による淫らな洗礼を受ける。そして「奥ノ院」に至るあまりに険しい山道を歩くうち、田所は、自身が封印してきた一人の部下との苦しい愛憎関係を思い出すのだった。
<本文から抜粋>
東京、桜田門にある警視庁捜査一課の警部、それが田所雄作である。
その日、直属の上司である一条警視に呼び出されて部屋を訪ねたところ、事前の説明もなく唐突に、ファイルに挟まれた資料一式を差し出されたのだった。
知っての通り、捜査一課は警視庁の中でも殺人や強盗など凶悪犯罪を専門に扱う部署である。失踪者の捜索は、言うまでもなく一課の仕事ではなかった。
「これなら所轄に任せておけばいいでしょう」
雄作は、いつになく渋い顔をして座っている一条を前に、百八十センチを優に超える頑丈な肉体を微動だにせず、淡々と不満を連ねた。
「行方不明で捜索願が出されるケースが一日何件あるかご存じのはずです。裏にどんな事情があるにせよ、今の段階でわざわざ一課の刑事が動いていては身体がいくつあっても足りませんよ」
仏頂面でそう言い捨て、その場を辞そうとした雄作の背中に向かって、ようやく一条が口を開いた。
「まあまあ、いいから待ちたまえ。そう言わずに資料の先を読んでみて欲しい。単なる行方不明者の捜索ってわけではないのだよ」
<目次>
一、極秘指令
二、新宿二丁目の夜
三、男王寺での洗礼
四、記憶に眠る男
***
■初出:『G-men 229号(2015年4月号)』掲載作『失踪―警視庁捜査一課警部・田所雄作』を改題加筆修正。
■前編総文字数21000字超。
■失踪の真相と田所自身の覚醒が描かれる『失踪の森【後編】―捜査一課・田所警部の覚醒』は近日リリース。
<後編・目次>
五、奥ノ院の乱れる夜
六、貫通
七、秘めた欲望の果て
八、不動明王の怒り