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作品内容
作品紹介
亡き母のあと、家に残ったのは建築士の父親・遠野黎真と、大学生の息子・遠野凪弦だけだった。
凪弦の外見も声も性自認も男だ。だが陰茎はなく、そこにあるのは父親以外誰も知らない女性器だけ——いわゆるカントボーイとして、彼は父の家で息を殺して生きてきた。
周期の痛みを病院に出せない息子を、黎真は「検診」と呼んで診る。
指先の触診は舌に変わり、潮はシーツを沈め、やがて先っぽは割れ目のふちを越えて奥まで埋まる。隠語と濁った喘ぎの奥で、凪弦は男の顔のまま腰を追う。中に残された熱が核になり、父子は産むかどうかではなく、どう隠して育てるかだけを決める。
日中は普通の父と息子。夜だけ、カントボーイのそこは父親の掌に開く。
血より濃いものが、名前を得るまで。
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