四面佛

製薬企業の幹部である游書朗は交通事故をきっかけにタイの財閥継承者・樊霄と出会う。幼少期から家族の影響を受けて育った樊霄は、游書朗の慈悲深い人格に触れ、自身の内に秘めた暗い一面を刺激される。彼の性的指向を知ると、報復のような恋愛の駆け引きを仕掛けるが、次第に状況は自分の思い通りにならなくなり、やがて樊霄自身が深い感情の渦に飲み込まれていく。悪事が明るみに出ると、游書朗は迷わず別れを決意するが、樊霄は極端な手段で執着し続け、ついに游書朗を精神崩壊寸前まで追い込んでしまう。最終的に、樊霄は自滅的な策略で刑務所に入る代償を払い、一族の企業を崩壊させる。半年後、二人は再会するが、かつての執着を捨てた樊霄は、ただひそかに游書朗を見守ることしかできなかった。しかし、游書朗は樊霄が命の危険にさらされていると知ると、迷わず救いの手を差し伸べる。生死の境で、二人は消えることのなかった想いと向き合い、樊霄はようやく過去と決別し、共に新たな道を歩むことを選ぶ。