うわぁあああ……そう来たのか、そう来ちゃったのか……。
この作品は「可愛らしい外見だけど、BLで攻めって事は腹黒でオラオラ系なんでしょ~?」
と思ってる人にこそやって貰いたいですね。
全然違った。そうじゃなかった。何というか……
皆律の事が大好きで、大切にしたいからこそ受けに回るんですよ。
無理やり襲われちゃう! とは全然違うというか……寧ろ襲われてるのは律なんですよね。
もう、入れる側に回る事しか出来ない、みたいなものを感じました。
そして何で皆家庭内監禁したり急に発情したり、ラブホ行ったりするの?
やだなぁ、エロゲーだからだよ! ……って訳では無いです。意味が有ります。全部。
こういうエロ系作品だと流されそうな部分を書いてくれるのが粒豆さん何だよな……。
特にキツかったのは百合先輩。一番感情移入が出来たというか……見た目に反して滅茶苦茶真面目なんですよね。
真面目だからこそ真面目に取り組んだことが一切評価されない、見た目しか見られてない現実に潰れてしまった訳で、律君が救いになった経緯も律君は覚えていない位些細な事だったんだけれど、其のほんの些細な「優しくて面白い先輩」って評価こそが彼が欲しい物だったんですよね。
とはいえ、律君が悪い! と言えないのがまた悲しい。
そりゃ誰だって最初は外見から入るよ。そしていきなりラブホに入っちゃったら駄目だよ百合先輩。
先ずはデートして財布の思い出を語って、改めて普通にお礼とか言えば良かったんだよ先輩。
彼が「死んでいない」のが、一番残酷で、キツイなと思いました。
でも「もう疲れた」の一言で「あぁ、うん。そうだよね……」と納得出来てしまう。
お兄ちゃんとのんちゃんも「あぁ、だからか……」と、そういう行動を取る事がガチっと理解出来てしまう作りで、
プレイヤーの心をガリガリ削ってくれます。誰も悪く無いのが、また、辛いなぁ……。