作品内容
恵み豊かな小国ヘルツォーゲン
その国土の半分を占める深い森がある
まだ、人よりも魔の物が多く棲む、その森の名を≪シュヴァルツヴァルト≫
物語はシュヴァルツヴァルトのそばにある小さな村から始まる
「お前が持って生まれたその緑の瞳は、人を、魔を、惑わせる」
高名な薬師であった祖母より幼いころから言い聞かせられてきた
主人公、『ハルト』は祖母の後を継いだ村で唯一の薬師。
極度の人嫌いで、ハーブ園の世話をする以外では外に出ることはなかった。
彼の運命を変えたのは、いつのころからか始まった"魔女狩り"だった。
女ばかりがその対象となっていたが、近年では男までもが対象となり始めていた。
狂った儀式の魔の手はハルトにも迫り、弟がいない間に村人たちに捕まってしまう。
「死にたくない」
決死の思いで村を逃げ出したハルトは、祖母から入るなと言い聞かせられてきた
緑深き黒の森≪シュヴァルツヴァルト≫へ逃げ込む。
そこで出会ったのは、美しき獣だった……