作品内容
身寄りのない譲葉(ゆずは)が援助とひきかえに与えられた仕事は、代議士秘書・統一郎(とういちろう)の世話をすること。それは夜のお世話まで……つまり「愛人」。譲葉は一生懸命役目を果たそうとするが、甘美な夜を重ねるうちに、時折感じられる統一郎の優しさに触れ、彼の腕に抱かれることをこのうえなく幸せに思うようになっていく。だけど譲葉は気づいてしまう。統一郎がけっしてくちびるには触れてくれないことに。好きな人と交わすくちづけはどんなに甘いだろう……。しかし、思いがけず統一郎の過去を知り、彼を好きでいてはいけないということに気付いた譲葉は──。