一陣の光さんのレビュー一覧

体幹のしっかりした女性と、骨太ながら小柄な男性との
カラミを煽情的に描く”十はやみ”先生、本巻描き下ろし
一本を含む、四本構成の中篇一作品と、五話構成の中篇
一作品に、前・後編構成の一作品を収録した単行本。
印象に残った収録作品は、経営している会社を倒産の淵
に追い込み、自らは海外へ逃走した父親と血縁な男子主
人公”筧 央太郎”。父親のもとに後妻で入ってきた継母
”マリカ”との共同生活の中で・・・な、前・後編構成の
「ふたりぐらし」。どっしりと構え、”央太郎”と、その
父親を支えている”マリカ”を印象的に描いた、お話でし
た。
読んでいて印象的だったのは、体幹のしっかりしたヒロ
インが世間の荒波に揉まれ、弱気になっている男性主人
公をそのカラダで支えてゆく姿のたくましさ。骨太なが
ら小柄に男性主人公を設定している”十はやみ”先生の狙
いが理解できました。ほのかに『バブみ』を感じる一冊。

セックスしたい。しかし、誰でもいい訳じゃない、とい
う純粋なメッセージが、収録されている各作品に息づい
ている”からあげチャン”先生、短篇五作品と巻頭を飾る
カラー短篇を含む、三本構成の中篇「ぼくの先生」を収
めた単行本。
印象に残った収録作品は、受験戦争の只中に身を置く男
子主人公”夕仁”くん。勉強を教えてもらっている女性家
庭教師”花澄”先生が時折、挙動不審になるので勉強に身
が入らず・・・な、中篇「ぼくの先生」シリーズ。互い
のカラダでセックスの深淵を知ってしまった”夕仁”くん
と”花澄”先生が二人で挑む、受験戦争を制することがで
きるのか、をインパクト抜群で描いた、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、リビドーをみなぎらせて
いるヒロインの姿。でも『竿』さえあれば誰でも受け入
れる、という訳ではなくて『この人』と決めた相手に対
してのみカラダを開く、矜持をもって描かれてあり、そ
こに”からあげチャン”先生の純粋さを感じました。良作。

男性主人公に、ヒロインのカラダを弄ぶ面と、
ヒロインを立ち直らせる面との二律背反さを
加味し、読後感に配慮している”栗福みのる”
先生、前・後編構成の一作品と短篇五作品を
収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、他校の生徒と喧嘩
するほど、ヤンチャが過ぎるヒロイン”目黒”。
そんな彼女を更生させようと、冴えない眼鏡
の男性教諭が”目黒”のカラダを味わいながら、
巧みに彼女を指導してゆく姿を描いた、短篇
「生いき!女子更性!」。ヒロインの問題行動
を軌道修正してゆく老練な男性教諭がイイ味、
醸し出している、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、ヒロインのカ
ラダをもてあそぶ一面と、ヒロインの将来を
真摯に考えている一面との二律背反さを巧み
に構成へと落とし込む事で、読み心地や読後
感に配慮している”栗福みのる”先生の繊細さ。
構成や作風に独自色を感じさせる一冊。良作。

新しい年を迎えた”comicアンスリウム”の2020年1月号。印象に残った短篇作品は、リアルなせりふ廻しの小気味よいテンポが冴えていた”腐蝕”先生、青春ストーリーが十八番な”『表』板場広し”先生、長身・メガネなセーラー服ヒロインが痴漢・輪姦な”BANG-YOU”先生、物静かなヒロインがリビドーに目覚めるとき・・・”たつか”先生、うざ・可愛な後輩女子・・・”ショーソン”先生等々。読み応えのある短篇ぞろいな一冊。

その絵柄から90年代の香りが立ち昇る”らいぶらり”
先生、短篇十二本が収められた単行本。
印象に残った収録作品は、取引先企業の渉外を担当
している男性主人公”坂上”。気の重い、職責ながら
密かな楽しみにしているのは、受付嬢”雪子ちゃん”
との会話・・・な、短篇「受付嬢」。
読んでいて印象的だったのは、その絵柄から感じら
れる90年代の香り。扉絵や背景、コマの配色などに
その当時の香りが感じられて良かったです。
ポップで軽快な現在の作風・絵柄とは異なる、重厚
な設定や展開が往時を感じさせる、懐かしの作品集。

500ページ越えの特大ボリュームで、読みごたえのある短篇ぞろいなCOMIC X-EROS#82。印象に残った収録短篇は、右ストレートを華麗に決めるヒロイン・・・”いつつせ”先生、幼馴染の男子に向ける複雑で整理のつかない感情を丁寧に盛り込んだ”変熊”先生や、倦怠期を迎えた夫婦のなまなましい乗り切り方・・・”鹿成トクサク”先生、丁寧な絵柄でお姉さんショタを描いた”ミカリン”先生等々、ゴージャスな一冊。

ヒロインのキャラクターデザインが『神』がかってきた”花札さくらの”先生の美麗なカラー短篇、独自の『ニオイ』がコマから感じられる”関谷あさみ”先生、一日一回・欠かさずひとりエッチなヒロイン・・・”こしの”先生や、手の届かない永遠のアイドルに夢中な幼馴染をカラダで攻略?・・・”櫻井マキ”先生、そして、幼馴染の男の子へ学校・卒業と同時に処女を捧げるヒロイン・・・”雨野しぐれ”先生等々、ひととき、その世界観に没頭できる一冊。

無理矢理、という流れなのに陰惨な空気感が払拭
されている”山崎かずま”先生の短篇。
深夜の旧校舎での心霊現象に、ジャーナリストと
してのプライドが騒ぐ、ヒロインの”菅 静流”が
実体験したコトとは・・・な、ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、暴力的な流れでは
ないものの、半ば、無理矢理なカラミなのに陰惨
な空気感が払拭されている点。”山崎かずま”先生
ならでは、な作劇に、魅力を感じた短篇作品です。

男性監督からのスペシャル・トレーニングを詳細
に描いた”おでん70”先生の短篇。
ヒロイン”加藤朱莉”は、自身の、精神面の弱さか
ら大会進出を逃してしまい・・・な、ストーリー。
読んでいて感じたのは、メンタル強化となるスペ
シャル・トレーニングの有効性。何となく男性監
督の『お楽しみ』という側面を感じなくもないで
すが・・・・。健康的な肉体を綺麗に描いた短篇。

交際している受験生の男・女へ横恋慕する男性教師
という展開の”七崎”先生、表題作の第一話。
志望校の選定に苦心しているヒロイン”関内”と同級
生・男子”武江”。二人が互いのカラダを感じ合って
いるところを男性教師”古堂”に見られて・・・・な、
ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、二人の関係を恫喝さ
れて、男性教師にカラダを許してしまう”関内”の姿。
ヒロインの、キャラクターデザインが印象的な作品。