一陣の光さんのレビュー一覧

『SF』といっても『少し不思議』な世界観が新鮮
さを感じさせる”ヨシラギ”先生、comic X-EROS
へ掲載された短篇八作品を収録した、自身初の単
行本。
印象に残った収録作品は、未来からやって来た天
才科学者”来栖今日子”は、旦那となる男性主人公
”悠くん”の『勃ちが悪い問題』を研究の結果、彼
の食生活に問題があることを突き止め、過去を生
きる”悠くん”にソレをただす為、はるばるやって
来た・・・な、短篇「ミライつま」。カップラー
メンばかりの食生活を”今日子”が修正、勃起が改
善する”悠くん”が頼もしい、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、ヨシラギ”先生独自
の世界観の新鮮さ。前述した短篇「ミライ～」や
短篇「寒空バニー」の世界観は、ありそうで有り
得ない、世界観が広がっていて唯一無二な作家性
を強く感じました。新鮮な読み心地の一冊。良作。

”石野鐘音”先生らしい、常軌を逸したヒロインを
コミカルに描く短篇。
優等生で、生徒会長でもあるヒロイン”西九条”は、
ある日、突然の『ビッチ』宣言。いつも生徒会で
顔を合わせる、書記の”野田くん”にエッチなこと
を教えてもらおうと・・・な、ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、突如、堰を切った
ように暴走するヒロインを、コミカルに描写する
ことができる”石野鐘音”先生の筆致。巧みな作品。

記憶が錯綜しているヒロインと幼馴染な男子主人公
の少し切ないストーリー・・・”吉田鳶牡”先生の短
篇作品の前編。
男子主人公”成留くん”は、幼馴染だけど、記憶が錯
綜していて、まるで、初対面の人みたいなヒロイン
”衣摺花恵”との会話を楽しんでいた・・・な、スト
ーリー。
読んでいて印象的だったのは、”吉田鳶牡”先生でな
いと表現できない、ヒロイン”花恵”のスレンダーで
清潔なカラダ。この後の、展開が気になる短篇作品。

オトコを手玉に取っている様に見えて、実は、欲望の
はけ口にされているヒロインを描いた”三ッ葉稔”先生、
二話構成の二作品と、前・後編構成の二作品へ、デジ
タル特装版限定の短篇二作品を追加収録した、自身初
の単行本。
印象に残った収録作品は、ヒロイン”姫奈”は、お小遣
い稼ぎで、おっさん相手に手コキのアルバイト。割が
いいので勤しんでいたら・・・・な、二話構成の短篇
「ヒナ遊び」と「続 ヒナ遊び」。オンナを逝かせる
テクを持つおっさんに処女膜を破られ、彼専用・オナ
ホールとなる”姫奈”を、パワフルなカラミと共に描写
した、作品でした。
読んでいて印象的だったのは、自身の容姿や、オトコ
を手玉に取っている、と、いうヒロインの意識・認識
を。男性主人公の『力技』ともいえるテクニックが炸
裂するカラミで根底から覆す、その流れ。洗練された
テンポ感も相まって、痛快な読み心地が味わえました。

その場に身を置かないと創作意欲の湧かない妹に
付き合う兄を描いた”吉田鳶牡”先生の短篇。
その場に身を置き、カラダを使わないと創作意欲
の湧かない妹に付き合い、自作・小説として発表
しようと、口実筆記をしている兄”慎一郎”。のっ
てきた妹の要求に答える”慎一郎”・・・な、スト
ーリー。
読んでいて印象的だったのは、スレンダーなカラ
ダを引き立たせている、眼福な黒のビキニ。巻頭
カラーでよかったと、しみじみ感じる、短篇作品。

色白なヒロインへ巨根が突き刺さる描写がインパクト
抜群な”白家ミカ”先生の短篇。
如何にも『ヤリちん』なオトコが告白してきても、実
は処女なので、バレると『マウント』とられそうな気
がして、受けることができないヒロイン”甘城小夏”な、
ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、幼馴染で”ミツ兄”と慕
っていた幼馴染が巨根だったトコ。色白で豊満なカラ
ダのヒロインへ巨根が突き刺さる描写が鮮烈な、短篇。

パキッとした、高コントラストの絵柄がストーリーと
マッチした”池田又心”先生の短篇。
ヒロイン”むつか”と、男性主人公”覚”は幼馴染。人手
が足りず、急遽、呼び出された”覚”は、水着・美女を
眺めるだけなので・・・な、ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、おあずけ状態で疲れマ
ラな”覚”の勃起に、我慢出来なくなった”むつか”の姿。
パキッ、とした絵柄とマッチした、展開が魅力の短篇。

父親想いで健気なヒロインと、欲望にまっすぐな
男性主人公との対比が、鮮烈な印象を残す”UG”
先生の短篇。
大人の女性に興味が持てず、結婚する気など全く
ない男性主人公。お見合いの席に連れ出されても、
断る気満々だった彼の前に、あらわれたお相手は
・・・な、ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、父親想いなヒロイ
ン”ゆめか”の健気さ。とても良い子で、ある意味、
『当たり』を引いた男性主人公が羨ましい、短篇。

ティーアイネット系作家さん特有のコントラスト
強めな絵柄が、背徳感を強調する”沢尻メロウ”先
生、表題作・第1話～第6話(最終話)を収録した単
行本。
印象に残った収録作品は、過去に、実姉”奈々”が
痴漢に遭遇し、逝ってしまう姿を見ていた男子主
人公”ヒロ”。以来、痴漢に並々ならぬ感心を覚え、
実妹”ちえり”とは認識しないまま、彼女に痴漢行
為をする「第1話」。
読んでいて印象的だったのは、後に、実兄”ヒロ”
が相手だと認識した上で、彼からの痴漢行為によ
って激しいオーガズムを迎える、実妹”ちえり”の
姿。”ヒロ”への感情・想いが”ちえり”を逝かせる
原動力となっていて、オトコであれば誰でも良い
とは、なっていない点が好印象でした。
インモラルなストーリーとパキッとした絵柄との
マッチングの良さを、しみじみと感じる長篇作品。

男性経験の無い、処女であることを隠す為、強気な
反応をするヒロインが可愛い”あやかわりく”先生の
短篇。
仕事ができて、部下のいるヒロイン”成瀬”。彼女を
先輩と慕っている”新見くん”に・・・な、ストーリ
ー。
読んでいて印象的だったのは、男性経験が無いコト
を隠す為、強気に振舞うヒロイン”成瀬”の姿。そん
な彼女のことを知ってか知らずか、初めてのオトコ
となる後輩”新見くん”がうらやましい、と、感じま
した。
軽快なテンポでサクサク進む進行も良かった、短篇。