一陣の光さんのレビュー一覧

男性主人公に恋愛感情を抱いているヒロインが
カラダを武器にガンガン迫る”SAVAN”先生、本
巻描き下ろしの短篇一作品を含む、短篇十作品
に巻頭へカラー短篇を特別収録した、自身三冊
目の単行本。
印象に残った収録作品は、男性主人公”秋山”は
教員。同僚で女教師のヒロイン”夏目”に告白し、
付き合い始めた二人。が、スイッチ入ると、ど
こでも”秋山”のカラダを求めてくる彼女に…な、
短篇「夏目さんの中のナカ」。
読んでいて印象的だったのは、一般作品も手掛
けられている”SAVAN”先生の、良い意味でのキ
ャラクターデザインの普遍性。18禁な作品では、
セクシーへ全振りしたキャラクターデザインに
してしまうところを、普遍性をもったキャラク
ターデザインとすることで、より深みをもった
エロ表現へと昇華させていて、その点が他の作
家とのアドバンテージとされているのが、ひと
きわ、印象にのこりました。凄みのある三冊目。

残暑厳しいこの季節、”comic快楽天2020年10月号”で暑気払い。印象に残った掲載作品は、幼なじみな女子生徒の想いを叶える男性教師…”utu”先生、在宅ワークに彩りを…”東出イロドリ”先生、男子主人公・初恋の人が叔母として目の前にあらわれて…”皐月芋網”先生、居酒屋でバイトに励む男性主人公が店で知り合ったのは公国の王女さま…”堀博昭”先生などなど、残暑も吹き飛ぶ一冊。

プリミティブで繊細な描線で陰影のある恋愛を
丁寧に描く”くまのとおる”先生、本巻・描き下
ろしの後日譚を含む、二本構成の一作品と短篇
九作品を収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、身長が伸びないこと
を気にしている男子主人公”篤志”は、高身長な
ので学内でも目立っているヒロイン”栗原桃香”
と、親しくなって…な、短篇「大なり小なり」。
読んでいて印象的だったのは、ヒロインや男子
主人公のコンプレックスを、丁寧にすくい取り、
陰影のある恋愛を描いている点。また、プリミ
ティブで繊細な描線の絵柄が、その作劇をキッ
チリ、支えていて”くまのとおる”先生の独特な
世界観を醸成していました。
あっさりしていそうで濃厚な”ゴマだれ”の風味
を想起させる、精密かつ繊細な一冊です。良作。

変化球的な中篇を収録した”花札さくらの”先生、
四話構成の中篇・一作品と短篇・五作品に本巻
描き下ろしの収録作品・後日譚を収めた、新装
版を含む、自身通算六冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、ヒロイン”葵”は自ら
描く、マンガの男性主人公との会話に興奮して
ひとりエッチに勤しむ…な、短篇「日々妄想」。
読んでいて印象的だったのは、従来の枠組みを
越え、新しい作品の世界観を構築しようとして
いる”花札さくらの”先生。収録された四話構成
の中篇「僕を一生たすけてください」は、従来
の作品にはない、変化球的世界観が提示されて
いて印象深く、拝見しました。
正統派美少女ヒロインの、緻密なキャラクター
デザインも記憶に残る、自身・六冊目の単行本。

男性主人公とヒロインとのラブラブ和姦なカラミ
のみで構成され、コミカル展開な世界観が安心感
のある読み心地を提供する”鹿成トクサク”先生の
短篇五作品と描き下ろしが収められた、単行本。
印象に残った収録作品は、付き合い始めてから結
婚三年目の今に至るまで、毎日のようにセックス
していた、嫁の”茉莉”と旦那の”銀くん”。倦怠期
からの離婚を回避する為、二人が考え出したこと
とは…な、短篇「セックスにも飽きたね」。この
二人には倦怠期なんて、訪れそうもない、お話で
した。
読んでいて印象的だったのは、男性主人公とヒロ
インとのラブラブな関係性。コミカルな展開なの
で軽快かつホンワカした読み心地が堪能できます。
バカップルのセックス事情を、盗み見出来る一冊。

長かった梅雨が明け、いきなり猛暑な今年の夏。暑気払いに”comic快楽天ビースト”2020年9月号。印象に残った掲載作品は、毎日絡んでくる後輩女子の毒牙?にかかる先輩男子…”きづかかずき”先生、飼っている犬の散歩をしていた男子主人公は見知らぬ女の人が泣いているのを見かけて…”長頼”先生、社長は伯父さんな会社でOLをしてるヒロインを社会人としていろいろな意味で教育的指導する男性主人公…”ぺい”先生などなど、紙面も熱い一冊。

処女なヒロインが目を惹く”Hamao”先生、三話
構成の一作品と、短篇・九作品を収録した自身
通算五冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、ヒロイン”翼”と男性
主人公”蒼衣”は幼なじみ。彼と結ばれることを
夢見ていたものの、他の男性と結婚する”翼”は、
”蒼衣”の為に守ってきた処女を彼に捧げる…な、
短篇「ラズベリー」。
読んでいて印象的だったのは、処女なヒロイン。
初体験のタイミングを逸した子だったり、相手
がいたので早々にヴァージン卒業に至ったりと
設定はさまざまですが、共通しているのは相手
男性を大切に想っている点。前述しました短篇
「ラズベリー」では、過去の想いと決別する為
に処女を捧げるヒロインの感情を丁寧に描き込
んでいました。
意外に太い描線で濃密なカラミを描く”Hamao”
先生、ヒロインの繊細な想いをも繊細に落とし
込んだ自身、通算・五冊目の単行本です。良作。

コミカルで軽快な読み心地と、汁描写も濃厚な肉弾
戦をパワフルに描く”だむ”先生、電子版のみの描き
下ろしを含む、七本構成な”～首ったけ!”シリーズと、
短篇三作品を収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、女子友に”さめぢ”と呼ば
れているヒロイン”さや”は電車通学の途中、巨根な
男性からの痴漢に遭い、彼とのセックスを妄想する
ように…な、短篇「あのヒトを追いかけて」。
読んでいて印象的だったのは、汁描写も濃密なカラ
ミをパワフルに描いている点。それだけだとコマが
重くなるところを、サクサク読める軽快なシナリオ
が巧みにフォローし、手ごたえのある読後感を構築
していました。
生活力・旺盛なヒロインたちが記憶にのこる、一冊。

梅雨明け、夏休み…楽しことばかりな”comic快楽天”2020年9月号。印象に残った掲載作品は、男子主人公のキケンな秘密…”mogg”先生、仕えるメイドに恋慕の情を隠し持つ男子主人公…”スミヤ”先生、毎年の夏休みに父親の実家に行く男子主人公を待っているのは”千夏おねえちゃん”…”楝蛙”先生などなど、読み手の期待を裏切らない一冊。本誌・誌面の”いーむすアキ”先生の訃報に接し、心中より哀悼の意を申し上げます。素晴らしい作品をありがとうございました。

表題作の単行本を購読しましたが続きが気に
なって…な”秋津貴央”先生・表題作の第六話。
読んでいて印象的だったのは、オカン味溢れ
る”五十嵐舞”との出会いを回想する”三家環”
の姿。初めての一人暮らしで、自分の食事を
上手く作れず、心細くなっている”三家環”を
印象的に描いていました。
本表題作が初連載とは思えない、キャラクタ
ーデザインの秀逸さと絵柄の緻密・繊細さが
記憶に残る”秋津貴央”先生、表題作の第六話。