一陣の光さんのレビュー一覧

ほんの少しだけ涼しくなりつつある今年の晩夏”comic快楽天”2022年10月号。印象に残った掲載作品は、会社の飲み会で同僚に風俗通いをバラされた男性主人公へ自分をアピールするヒロイン…”松河”先生、数年前にノラ猫を助けてほしいとヒロインから懇願されて飼い猫とした男性主人公がヒロインとの関係を再確認する一夜…”楝蛙”先生、ヒロインに告白し順調にエロく育ってゆく彼女の成長日記…”ごさいじ”先生、まじめウブと認識されてクラスの女子から浮いている存在のヒロインが…”背中が尻”先生、久々に同窓会で元カノだったヒロインと再会した男性主人公がノリで…”スミヤ”先生などなど。良作マシマシな一冊。

年上ヒロインくくりな”comic快楽天ビースト”2022年09月号。印象に残った掲載作品は、親父の実家を久々に訪れた男子主人公が再会した年上のヒロインは女性としての魅力マシマシで…”すーぱーぞんび”先生、10年前に父親の再婚で義姉になったヒロインへほのかな恋心を抱いている男子主人公が…”こっぺ”先生、後輩のヒロインとエッチ三昧な男子主人公が卒業を控えての思い出作りに…”長頼”先生、幼馴染な二人の男子と仲が良すぎて他の男子に告白されて付き合い始めてもすぐに別れてしまうヒロインが…”rca”先生などなど、残暑を乗り切る為の一冊。

繊細な描線で描かれた美麗なヒロインと
作品内のふんわりした世界観が唯一無二
な”亀吉いちこ”先生、十二話構成の長篇
表題作を収録した単行本。
印象に残った収録作品は、お見合い結婚
するまで男性経験皆無だったヒロインが
旦那さんである男性主人公に嫌われたと
誤解して…な、vol.8「仲直りエッチの」。
知識だけは豊富なヒロインに懇願されて
ハードめなプレイに勤しんでいた二人が
オーソドックスなセックスの良さに目覚
めて、子作りが本格化する、お話でした。
読んでいて感じたのは、お見合いで知り
合い、結婚生活を通じて恋愛感情を醸成
させてゆく姿を丁寧に描いている点。ヒ
ロインに懇願されての、プレイ的なカラ
ミが、愛情が深まる過程と共に子作りへ
興味が移行してゆく様子を”亀吉いちこ”
先生が得意とする、ふんわりとした世界
観が優しく描写して、ほんわかした読み
心地を提供していました。
お仕事面では完全無欠だったヒロインが、
男性主人公と共に恋愛感情を習得・会得
し、人として完全無欠な人物となる一冊。

バラエティに富んだ誌面構成にワニマガジン社・執筆陣の層の厚さを実感した”comic快楽天”2022年09月号。印象に残った掲載作品は、諸般の事情により年に一回のセックスと決めている年の差15歳・結婚五年目の仲良し夫婦な男性主人公とヒロインが…”もじゃりん”先生、清廉潔白な学生生活は卒業式を迎え抑圧してきた性欲を解放する男子主人公とヒロイン…”藤丸”先生、好んで聞くバンドが同じだったことをきっかけに付き合い始めた男子主人公とヒロイン・彼女の無茶ぶりを断れないのは…”層積”先生、理想の結婚式にしようと奔走し無事に挙式を済ませた男性主人公とヒロインが新婚初夜を迎えたものの彼が熟睡してしまい…”亜美寿真”先生などなど、充実の一冊。

登場人物の繊細な感情を丁寧に描き上げる作劇が
執筆環境を新たにしたことで、さらに先鋭化した
”岡田コウ”先生、本巻・描き下ろしを含む、三話
構成の中篇・一作品と、短篇・三作品を収録した
コアマガジン社刊としては二冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、男子主人公の実兄に対
して優等感を抱いている強情な実妹のヒロインが、
守ってもらっているコトに恩義を感じながらも優
越感から素直になれず困惑していると…な、短篇
「わたしと兄の最初の日」。
読んでいて印象的だったのは、初期作で、繊細な
登場人物の感情を数多の描線で表していた作風が
執筆環境を新たにしたことで、描線が整理されて
元来、上質だった作劇の巧みさに、磨きがかかり
”岡田コウ”先生が表現したい領域が、更に先鋭化
した作風となったことを読後、実感しました。
実の兄妹とか、近しいクラスメイトとかの設定に
妄想とも願望ともいえるリビドーを、既視感のあ
るリアルな描写力で読み手を誘惑する一冊。良作。

従姉妹で幼馴染、しかも想い合っているという
正統派(?)な設定が大好物の読み手なら、悶絶
確定な”実々みみず”先生、三話構成の中篇・二
作品と二話構成の一作品を収録した自身三冊目
の単行本。
印象に残った収録作品は、夏休み、普段から連
絡を取り合っている従姉妹で、お姉さんなヒロ
インの家を訪れた男子主人公。女性としての魅
力を増してゆくヒロインに片想いしている男子
主人公は不安になって……な、巻頭を飾る三話
構成の中篇「夏休み」シリーズ。ヒロイン自身
も男子主人公へ片想いしており、晴れて両想い
となり『お猿さん化』するふたりを繊細な描線
で描いていました。
読んでいて感じたのは、改めて、正統派な設定
の良さを実感した点。『ひねり』が効いた展開
も、薬味的には良いものの、そればかりとなる
と食傷気味に…。ド直球でストレートな正統派
の本巻・作品群は、R18・作品を読み始めた頃
のトキメキを思い出させてくれました。
繊細な描線で、丁寧に描かれた絵柄も好印象な
”実々みみず”先生・自身三冊目の単行本。良作。

巻頭を飾る”イゲドアハ”先生の短篇が良作な”comic快楽天ビースト”2022年08月号。印象に残った掲載作品は、家が近所で幼馴染な男性主人公とヒロイン・勇気がなくて彼女に告白することができなかった彼の想いを伝えるセックス…”イゲドアハ”先生、男勝りな性格で女子にも人気なヒロインと男子主人公は幼馴染・彼女に告白されて初体験した体育倉庫で再び…”ペイ”先生、入院した病院の女性看護師なヒロインは男性主人公の母校の先輩で…”芦名めろう”先生などなど、良作揃いの一冊。

やっぱり”ホムンクルス”先生は上手いなぁ、と再確認した”comic快楽天”2022年08月号。印象に残った掲載作品は、男子主人公のバイト先は引越センターかつ上司はヒロインで年下な褐色・美人…”翁賀馬之助”先生、ヒロインが恥ずかしがり屋でキスから先に進めない男子主人公が彼女との関係を深めたくて…”こやま滋”先生、ラブロマンス映画を見た帰り道深まる二人の関係…”ねとろもりこん”先生、付き合い始めて三か月のヒロインが初めて男子主人公の部屋にな時発見した未開封のエロDVDで欲望を発散した彼に…”トウ”先生、クラスでも高嶺の花なヒロインと昔お付き合いしていた男子主人公…”ホムンクルス”先生などなど、上質な一冊。

スランプっていろんなカタチで発露するんですね…
”comic快楽天”へ2020年から2022年に掲載された
前・後編構成の一作品と、短篇・十作品を収録した
自身六冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、男子主人公とヒロインは
幼馴染。彼女のいない男子主人公に対し、彼氏がい
るヒロインは、試験のたびに男子主人公から勉強を
教えてもらっていることを、彼氏に浮気と疑われて
……な、短篇「かわいいひと」。ヒロインとキスが
できて、目を潤ませる男子主人公が可愛い、お話で
した。
読んでいて感じたのは、繊細な描線の絵柄とオール
ドスクールな設定とのマッチングの良さ。前述した
「かわいい～」や、短篇「Over」でのスウィート
だけど甘すぎない流れは、”Hamao”先生ならでは。
唯一無二な世界観が味わえました。
今年に入って一時期、スランプから本巻単行本化の
作業時に、とある英断・決断をされた”Hamao”先
生。読者として、その判断は正しかった、と、謹ん
で支持します。
他にない読み心地が堪能できる自身六冊目の単行本。

前にも書きましたが梅雨は何処へ…”comic快楽天ビースト”2022年07月号。印象に残った掲載作品は、告白して付き合い始めても何か良く分からない理由でふられてしまうヒロインが来るモノは拒まずの精神で彼氏づくりをはげんでいたら…”長頼”先生、彼氏いない歴=年齢な女性教師のヒロインがマッチングアプリで知り合った男子主人公と初体験・処女喪失を果たしたが彼には秘密が…”こっぺ”先生、文化祭の前日に泊まり込みで準備をしていた同じクラスの男子主人公とヒロインが勢いで彼女の処女を奪う…”Pennel”先生などなど、改めてワニマガジン社・作家陣の層の厚さを実感する一冊。