一陣の光さんのレビュー一覧

ヒロインと男性主人公との共通項『喫煙』を導入部
とし、二人がセックスの深淵へと、はまってゆく姿
を煽情的に描いた表題作に”鈴木狂太郎”先生の個性
を強く感じさせる”comic阿吽”へ掲載された、短篇
一作品と「窓際のタバ子さん」シリーズ・全五話を
収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、男性主人公が自室でタバ
コ味わいながら、数年前に出会った”タバ子”のこと
を回想する、表題作「第一話」。手慣れた感じで喫
煙する”タバ子”が鮮烈な印象を読み手に残す、お話
でした。
読んでいて印象的だったのは、他の作家では恐らく
描かれることがないであろう、シリーズ「窓際の～」
の導入部。幼さの残るヒロインと喫煙が、絵柄的に
シュールながら、話数が進むにつれ、彼女が喫煙す
る理由、男性主人公にカラダを許した訳が語られて
ゆき、骨太で重厚な読後感を味わせてくれます。
カッコつけ、とか、ポーズから吸う、のではなくて
タバコをしっかりと味わっているヒロイン、男性主
人公に、”鈴木狂太郎”先生の想いを感る一冊。良作。

お姉さんショタなフォーマットながら、あまあまには
しないところに”森島コン”先生の矜持を感じる、雑誌
”X-EROS”に掲載された、短篇・二作品と三話構成の
「オーバー～」シリーズ、三話構成「Swimmy～」シ
リーズを収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、ショタな男子主人公”陸”と
美人だけど少しだらしない”秋穂”との出会いを鮮烈に
描いた、”オーバー・ドライブ”。”秋穂”の下着を目の
当たりにして勃起がおさまらない”陸”が可愛い、お話
でした。
読んでいて印象的だったのは、スイートな読み心地の
多いお姉さんショタにおいて、そうしない”森島コン”
先生の矜持。あと、ショタ君がパワフルなピストンを
見せつけるのもまた、”森島コン”先生のコダワリなの
かな、と、読んでいて感じました。
性欲強めながら清楚なルックスのヒロインに意外性を
感じる、シリーズ二作が収録された豪華な一冊。良作。

肌色・強めな”なぱた”先生の表紙が美麗な”comic快楽天”2020年7月号。印象に残った掲載作品は、少しあやしいお店の面接来た元OLなヒロインさんと採用の決定権を持つ店長な男性主人公のくんずほぐれつな面接は…”さめまんま”先生、ぷにぷにした体形の転校生な男子主人公とちんまいヒロインとのお付き合いは…”もじゃりん”先生、浴衣でWデート…”オクモト悠太”先生などなど、盛り沢山な一冊。

綺麗にまとまった大団円、という感想を読後に
抱いた”険持ちよ”先生、表題作・第28話から最
終話となる第36話までを収録した、最終巻。
印象に残った収録作品は、収まるところに綺麗
に収まった…「最終話・それぞれの日々」。
読んでいて印象的だったのは、好きなのにそれ
を素直に表現できなかったヒロイン”海”が、ク
ラスメートや周囲の人たちとの関わり合いの中
で、男性主人公”おじさん”との距離感を、少し
づつ、縮めてゆく姿を丁寧に描いていた点。ヒ
ロイン”海”の可愛いキャラクターデザインと共
に記憶に残る、お話でした。
終わってしまうのが、すこし寂しいけど、綺麗
にまとまった大団円を迎えた、四巻目で最終巻。

情感や心情を巧みに練り込んだカラミが記憶に残る
”雛原えみ”先生、”comic快楽天”に掲載された二話
構成の一作品と短篇七作品を収録した、自身三冊目
の単行本。
印象に残った収録作品は、社畜人生・まっしぐらな
男性主人公”ヒロくん”。へとへとで、自室にたどり
着いた彼を癒してくれたのは”めろ”という名のネコ
で・・・な、短篇「ネコ撫で恋」。”めろ”を仲介に
親しくなるヒロイン”杏奈”との、情感あふれるカラ
ミが”雛原えみ”先生作品らしい、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、昂ぶる、二人の心情
の先にカラミを描く”雛原えみ”先生の矜持。欲情し
た気持ちを、相手の感情を無視しセックスで晴らす、
という展開とはせず、あくまでも、二人の感情の高
まりの先にカラミを描くので、読後感の良さや読み
手へと安心感を与える好材料となっているのが印象
的でした。
あとがきで、気がつけば執筆した短篇が三十作品を
超え、単行本も本巻で三冊目となることに対し、感
慨と共に、驚いておられたのが印象的な一冊。良作。

状況設定はオーソドックスながら”歯車”先生の個性、
テイストが芳醇な読み心地を育んでいる、コミック
ジェシカとcomicアンスリウムに掲載された短篇八
作品を収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、真夏の盛り。旧スクール
水着をYシャツの下に着た、幼なじみ”七実”が男子
主人公”駿”の家を訪れ、プールを所望して・・・な、
短篇「庭先プールサイド」。すこし、浮世離れした
ヒロイン”七実”が記憶に残る、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、オーソドックスな状
況設定ながら、独自のテイストから芳醇な読み心地
を提供している点。前述した「庭先～」や、久しぶ
りに会った元担任の女教師なヒロインとカラダから
始まる男・女関係を描いた短篇「五年目の放課後」
の読後感良さが鮮烈な印象を残していました。良作。

改めて、ワニマガジン社系作家さんの層の厚さを感じる”COMIC X-EROS”。印象に残った掲載作品は、読み手を引き込むインモラルな展開…”背徳漢”先生、最新単行本を猛烈アピール…”さんじゅうろう”先生、ぶっちゃけトークがインパクト抜群…”鹿成トクサク”先生、男・女の出逢いは様々で…”軽部ぐり”先生、キャラクターデザインのカワイイ絵柄で描くカラミが新感覚…”鬼斬ゆにこーん”先生などなど、そのボリュームに圧倒される一冊。

ファンタジーとSF(少し不思議)が融合した
世界観へ、生活感をプラスした独特な作品
世界が楽しめる”桑佳あさ”先生、表題作の
第61話から第68話までに特別編を収録した、
八巻目。
印象に残った収録作品は、『キーワード』
が妙にココロに刺さる年頃なのかも…な特
別編「兄的男子はるとくん」。
読んでいて印象的だったのは、結末へと確
実に歩みを進めながらも、今、その時を堪
能している”ひなた”の姿。”桑佳あさ”先生
ならでは、な、時間軸を巧みに操る作品世
界が確かな読後感を伴って読者を包みます。
個人的には、美形なお隣さん”山森こよみ”
の正体がとても気になる、表題作の八巻目。

登場人物、特にヒロインの『瞳』の描き込みに一般
作品を描いていた時の風情を強く感じる”新羽隆秀”
先生、”comic X-EROS”に掲載された短篇八作品と
本巻・描き下ろしの一作品を収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、海外から転校してきたヒ
ロイン”カチューシャ”ちゃんに日本語を教え、彼女
の学校生活を支えてきた男子主人公”イチロー”くん。
そんな”カチューシャ”ちゃんのことが好きになって、
告白。その回答は・・・な、短篇「夜祭」。
読んでいて印象的だったのは、一般作品を描いてい
た時の風情が残る、その絵柄。特に、瞳の描き込み
に他の作家には無い、独自な魅力を感じました。オ
ーソドックスなストーリー展開ながら”新羽隆秀”先
生ならではな、味わいのを読後に残す、一冊。良作。

"kakao"先生の、掲載作品と連動した美麗なカバー・イラストがお出迎えな”COMIC快楽天ビースト”の2020年6月号。印象に残った掲載作品は、ご無沙汰している先輩OLさんに新人男性社員がカラダをご提供・・・”眉唾モノ”先生、ショタな男性保健医に夢中なヒロイン・・・”コンマミオン”先生、担当ナースや長期入院している男の子患者にモテモテな男性主人公・・・”にこびぃ”先生、持て余してる性欲をヒロインな彼女に話したら・・・”亀吉いちこ”先生などなど、充実した一冊。