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エリシア・ウェントワース CV:野月まひる
主人公にしてヒロイン。
作中における、唯一の、地上の人間。
廃墟と化した地上のニューヨークを歩く、黄金瞳の娘。
3年前(1904年)の12月以来、左目が猫科の動物に似た"黄金瞳"に変わっている。
大人しそうな容姿には不相応の勇気を備え、強い意思を持つ。
気丈な性格。誰の助けもなく、たったひとりで広大な廃墟都市である旧ニューヨーク・シティを訪れた。
自ら開発した多脚式歩行鞄を連れて、廃墟という現実を歩き続ける。
本来はイェール機関大学に通う学生だが、休学中。
故郷であるコネチカット州のハイスクールに通っていた頃、ほのかな想いを交わした初恋の相手がいた。
互いに深く想い合っていたものの、恋人同士にはならなかった。
回想で徐々に提示される過去の記憶により、彼女が旧ニューヨークで探すのが、その人物であることが明かされていく──
「1日目。廃墟に足を踏み入れた。あの噂は正しかった。本当に、誰の姿もない」
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リリィ CV:かわしまりの
主人公にしてヒロイン。
異形と化した《地下世界》を彷徨う少女。
当初は男装している。
素っ気ない表情や、やや不機嫌そうな表情を浮かべることが多い。
性格自体は純朴で素直。
姿の割には中身は子供っぽい。
時折、普段の様子からは思いも寄らぬ意思の強さを見せる。
自分の素性についての記憶がなく、どうしてこの場所──歪みと幻想に充ちた《地下世界》ことアンダーグラウンド・ニューヨーク・シティにいるのかも理解できていない。
彼女の中にある初めての記憶は、瞼を開いて目にした紫色をした偽物の空である。
《地下世界》が異形であり、異常であることは認識できているが、地上へ戻るという考えは持っていない。
それを問われても、意味がわからないという表情を浮かべるのみ。
自分のいる世界が異形と幻想に充ちた場所であることも、本当のニューヨークは廃墟であるという「現実」も、当初は理解していない。
目にしたものすべてに疑問を浮かべ、興味を抱く。
言葉と最低限の常識以外のあらゆる事柄について記憶を失っているが、ただひとつ、マンハッタンにそびえる「紫影の塔」を目指さなくては、という意識だけがある。
当初は人間性が薄いように振る舞うが、人々と出逢い、彼らの《ルフラン》を目の当たりにしていくことで、我知らず流れ落ちる涙と共に、己の内に秘めた"想い"と、その強さに気付いていく──
「あそこに。あたしは、いいえ、あたしだけは、行かないといけない」
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A CV:古河徹人
自分の素性を一切明かすことのない、謎に満ちた、表情のない青年。
リリィを導く《地下世界》の人間。
通称は"顔のない男"や"からっぽ頭(エア・ヘッド)"。
異形と化したニューヨークである《地下世界》に足を踏み入れた黄金瞳の少女にリリィという名を与え、意思を持つかのように移動と停止を繰り返す"1輛だけの地下鉄"を操り、マンハッタンを目指す彼女を導いていく。
彼には感情が殆どなく、従って、表情も殆どない。
淡々と事実を述べながらリリィを導く彼は、時に、彼女を危険から守る。
「僕は導くだけだ。脳がないから。ここで何をするのか、すべて、きみ次第」
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マオ CV:高槻つばさ
リリィを見つめては笑ってみせる娘。
《地下世界》の人物。
人間?
頭の上に猫の「耳」を持ち、尻には尻尾を生やした、正しい人間とは些か異なったかたちを持つ異形の少女。
よく高台にいて、リリィを見下ろしては「ひひひ」と笑う。
享楽的な性格。
いつも笑っている。
しきりに誰かを嘲笑するが、そうする時、マオは一切の享楽を感じることはない。
本当は、笑うことを、彼女はやめたがっている。
本来の姿は現在とは別だったが、ジャガーマンと同じく、自らに充ちる性質のために獣人としての外見を得ている。
ただし、豹男とは、決定的に異なる点がひとつある。
「なにしてんのさ、莫迦なリリィ。リリィは目があるのに見えないの?」
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ラッキー・ルチアーノ CV:小次狼
幸運の女神に愛されたはずの男。
《地下世界》の人間。
運命を操る帽子男を名乗り、リリィの前に姿を見せ、以後、つかず離れず彼女の旅路に顔を出すこととなる。
Aやジャガーマンと比較的話が合うのはこの男のみ。
洒落たスーツに身を包む、都会の伊達男。
かつては、5年前までは才気あふれるマフィア幹部として頭角を現していた。
犯罪シンジケートを作り出し、ニューヨークの裏社会すべてを掌握しかけたこともあるという。
マンハッタンの「巨壁(ザ・ウォール)」の先にいるひとりの女を愛し続けている。
「俺の名前を知らないとは。あんた、ニューヨークっ子じゃねえな?」
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ミリア・ストーク CV:高井戸雫
現在の地下世界を受け入れた女。
若い女。
橋の街ヴェラザノで武装街娼をしている。
ダーク・ギャングたちに理由も分からず追われるリリィを見返りなしで匿ってくれる。
武器はパイルバンカー。
言葉は擦れているが心根は穏やか。
街娼はいつから続けているか覚えていない。
「誰か」に愛の言葉を囁かれて、それを信じて待っていたら「何か」があって、ニューヨークは地下世界になっていた。
疑問に思ったかもしれないが、今ではもうどうでもいいとうそぶく。
ひとりの浮浪者につけ狙われているが、それもあまり気にしていない。
リリィが助けなければ殺されていたという段になっても、どうでもいいと肩を竦めてみせる。
どうせ、地下世界では死ぬことなどないのだから。
「……でも、どうでもいいさ。どうでも」
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ユリアナ&カトリーン CV:榛名れん / 柚李
父の帰りを待ち続ける母娘。
母ユリアナは年若く、娘カトリーンは幼い。
地下世界の人間。
オランダ系。
色の街(多人種の街)ロング・アイランド、アパルトメント複合体クイーンズブリッジ団地の一室で、マンハッタンから戻らない夫/父を待ち侘びつつ暮らしている。
カトリーンは、綺麗な装飾が施された英国製のオルゴールを常に持ち歩いている。
ラッキー・ルチアーノはカトリーンの名付け親である。
「ママ、ママ。パパはいつ戻るの?」
「今夜……いいえ、明日、明日の夜にはきっと戻りますよ」
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ルース・B CV:杉原茉莉
あふれんばかりの夢に充ちた少年。
リリィと同い年程度。
地下世界の人間。マンハッタン在住。
壁の街ウォール・ストリートを根城にする猫(ネコビト)たちを統率するただひとりの人間。
ストリート・チルドレン。
マンハッタン中央域への道を阻む巨大な壁である《ザ・ウォール》を閉ざし続けることを決めており、ザ・ウォール付近を徘徊するダーク・ギャングたちと敵対している。
常に木製のバットを携えている。
武装しているように見えるが、実はそうではない。
彼は大リーグの選手になるのが夢なのだ。
5年前からずっと。
「……ホームランをかっとばすんだ。最高のやつをさ」
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ルシャ CV:金田まひる
ウォール街に住む娘。
猫娘のひとり。
フランス系の猫びと(ネコビト)。
マオと同じく、ルース=B に想いを寄せているが、マオと違い、まだ諦めきれてはいない。
もうここは地上とは違う。
ならば、この想いだって、ただの猫が人間に抱くものとは別のものであるはずなのだから、と。
ルースからは「いも」「いもようじ」と呼ばれているが、たいして気にしていない。
猫街であるウォール街に変装して潜入するリリィを訝しみ、さまざまな嫌がらせを行うことになる。
「あんたとは違うんだ、マオ。私はそんな風には割り切らない」
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ピーター CV:小次狼
かつて墓の王に逆らったという男。
橋の街ヴェラザノの住人。
異形となった街の片隅でうずくまるか、往来で何事かを叫び続けている。
狂人と言われており、確かに狂人だが、その言葉のいくつかは都市の真実を捉えている。
街娼ミリアをつけ狙っており、隙あらば殺そうとナイフを常に隠し持っている。
シカゴ・シティの「帝王」とかつて現世で争った捜査官のなれの果て。
仮に名乗っている「ピーター」は父の名であるという。
「私は狂っている。地下世界も狂っている」
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ジャガーマン CV:蘭丸
牙持つ獣頭を備えた男。
リリィを付け狙う。
《地下世界》の人間。
南米出身であると自称するが、スペイン語は不慣れの模様。
彼は《地下世界》を支配する何者かの部下であり、本来であれば異形の《地下世界》にいるはずのない存在であり、本来はこういった姿もしていないという。
マンハッタンの塔を目指すリリィを阻むべく、幾つかの罠を仕掛ける。
「ブエナス・ノーチェス! 小娘め、挨拶もできない莫迦な小娘め!」
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サム・ショーター CV:胸肩腎
寡黙なピアノ奏者の黒人青年。
地下世界の人間。
マンハッタン、ブロードウェイ在住。
ジンジャーに恋しているが、仮面のような冷徹な表情を崩さない。
腰から下の下半身が、ピアノ椅子に似たかたちの鉄(メタル)と化している。
ある理由により、親友であるラッキー・ルチアーノがリリィとA をブロードウェイへと連れて来るのを待ち侘びていた。
「あんたになら頼めるかもな。壁を破ったリリィ・ザ・ストレンジャー」
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ジンジャー・ロジャース CV:金田まひる
才能あふれるミュージカル女優。
若々しい。
地下世界の人間。
マンハッタン、ブロードウェイ在住。
地下世界において誰もが羨む「壁のむこう」の、歌の街ブロードウェイで歌と踊りに浸かって暮らす女。
若い生命力に溢れて、日々、歌い続けている。
5年前まではルチアーノの恋人だったが、それを現在の彼女は忘れている。
「歌いましょうよ! 踊りましょうよ! 人生は、そのために在るのだから!」
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ジルーシャ・アボット CV:小倉結衣
過去を慈しむ赤毛の女。
通称ジュディ。
地下世界の人間。
マンハッタンの中央部で暮らしている。
人間の姿がひとつもない、石の森セントラル・パークが彼女の領域である。
地下世界の多くの人々からは、ダーク・ギャングを率いる恐ろしい魔女であると囁かれている。
通称は西の魔女。
事実、彼女は、誰もが恐れる《御使い》をまるで愛しいひとであるかのように扱い、共に暮らしている──
「わたしは西の魔女。皆が、わたしをそう呼ぶわ」
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エジソン卿 CV:越雪光
唯一無二の《発明王》の名を有した天才発明家。
5年前、マンハッタン島の第2エンパイアステートビルの主人であった男。
先端型の碩学研究施設として世界有数の超高層ビルを機能させ、若き天才アラン・エイクリィを始めとする数々の才能と共に、とある研究と実験を行っていた。
《地下世界》の住人の中には、確かに彼の姿をこの異形なる地下領域で目撃したという者がいるという──
『チク・タク、チク・タク』
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薔薇の魔女 CV:????
地下世界で囁かれる噂話のひとつに、魔女の噂がある。
ひとりの魔女がこの地下世界に災いをもたらす、という。
恐ろしい「西の魔女」こそがその魔女なのだとされているが、ごく一部の噂では「薔薇の魔女」なる誰にも知られていない魔女が存在し、彼女こそが災いをもたらすと言われている。
「………………………」
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フォノグラフ CV:高井戸雫
チクタクマンの造り出した従者。
人間を"孤独の動物"だとして嘲笑している。
4つの腕を有し(うち2つは旧式の機械腕)、顔面と肩には発声器がある。
3従者の中で最も手が掛けられているため自意識が発達しており、誰が姉か妹かを常に明確にすべきと主張しているが、他の姉妹はエゴが薄いため反応は薄い。
自分が(主人が興味を抱く)人間とどれだけ近いのか、常に怯えている。
人間に近ければ憎まれるかも知れない。
人間から遠ければ興味を失われて二度と改良されない=触れられないかも知れない、と。
「言葉あるものは我がしもべ。踊るがいい、まがいものたち」
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キネトロープ CV:杉原茉莉
チクタクマンの造り出した従者。
人間を"忘却の奴隷"だとして嘲笑している。
姿は、フィルムと回転板を身に纏った華やかなようでどこか不気味な女。
地下世界のさまざまな人間たちの前に現れては、嘲笑うかのように自分の中の「メモリー」を見せては、NY消失についての真実の断片をばらまいていく。
「さあさ、覗いてごらんなさいな。……何が見える? 何を見たい?」
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バルブ=ガール CV:小倉結衣
チクタクマンの造り出した従者。
人間を"恐がり"だとして嘲笑している。
顔面が白熱電球。
他にも体のあちこちに大きな電球がくっついている。
感情に応じて顔の電球が光る。
何か思い付くと頭部の帽子風電球が光る。
激怒すると激しい赤色に発光する。
基本的には"どこか"に座すチクタクマンの元で侍っているが、時折出掛けては、リリィや地下世界の住人の精神を弄ぶ。
「照らしてあげるわ。何もかも、ほうら、これで明るくなった」
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エリシア・ウェントワース CV:桜川未央
主人公にしてヒロイン、エリシア・ウェントワースの5~6年前の姿。
コネチカット州のとあるハイスクールに通っている。
未だ左眼は黄金瞳になってはいない。
優しく穏やかな性格で、誰とも朗らかに話してみせる。
嘘の類を一切見抜けず、たいていの嘘や冗談には引っかかってしまう。
ハイスクールの卒業生であり、天才の呼び声名高いイェール機関大学の2回生のアラン・エイクリィに恋をすることになる。
後に廃墟都市を歩く気丈さは、この時点では持ち合わせていない。
「先輩、ええと、その、あのね。ヴィヴィが言うには……」
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アラン・エイクリィ CV:????
エリシアの記憶に度々姿を見せる青年。
地上の人間。
現在では故人とされる。
およそ6年前にエリシアと出会い、彼女に恋をした。
そして、5年前に消えた。
ニューヨークで消息を絶った300万人のうちの1人であり、若き天才碩学(碩学=科学者)であった。
彼はイェール機関大学に通う学生であったが、ある時、エジソンの招聘を受けて大学を休学すると、ニューヨークへ移住した。
エリシアが手を尽くして調査したところによれば、彼は、合衆国とカダス北央帝国とが極秘裏に進めていたエジソン卿の実験計画に参加したのだという。
けれど何故?
エリシアには分からない。
何を求めて、彼は、そうしたのか。
「エリシア。僕は」
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ヴィヴィ CV:榛名れん
ハイスクールの女子寮でエリシアと同じ部屋に暮らす同級生。
耳年増。お節介。優しい。
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セルヴァン CV:杉原茉莉
ハイスクールに通うエリシアの同級生。
成享の伝説的な碩学《機関の女王》に恋焦がれている。
ブロマイドを所有。
アランとは幼なじみで、彼のことを兄のように慕っている。
エリシアにアランを紹介してくれた。
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