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この作品を入り口に、ASMRジャンルの音声作品に初めて触れてしまったことを少し後悔している。ここまで世界を音の形に上手に分解して、再構成したものはきっと今後出会えないだろうと思う。サウンドアートデザインの方が“死んだら代表作の一つとして上げてください”とTwitterに投稿している。技術的な面でも、作り手の魂がこもっている。この音源の中に一つの世界が創られているのだ。すべての音に理由があり、構成要素からどれか一つ引いても成立しない数式のようですらある。
また、声優の声質が完全に合った作品というのは情報量がここまで鮮明かつ大きくなるのか、という驚きを感じさせる。
音を介して本質に触れる感覚、それ以上の何かがここにある。"大切なことは目に見えない"とは星の王子さまの言葉だが、手で触れられる形に溢れた世界に生きている人々に、この作品の形でしか伝えられない何かを渡すことに成功している。