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お話重視の作品です。
ある休日、寝過ごしてしまった主人公のもとに少女が引っ越しの挨拶だ、と言ってどでかい皿にたっぷりカレーをのせて訪れます。その後、部屋に招き入れてしばらくやりとりがあった後、少女が…という流れです。
この少女(見た目ほど少女ではありません)との穏やかに進むやりとりが、何処となくおかしさがありつつ可愛いもので、ここが見所の一つです。
しかし、この作品の肝は中盤でほのめかされつつ物語が進み、最後になってほとんど明らかになる、ある事実にあります。そこに至って若干奇妙でもあった少女の振舞いが納得いくものに変わり、切ない後味を残します。作品中でこの事実がはっきりそうだと明示されることはありませんが、それがかえって作品に奥行きを与えているように思います。
成人向け要素は比較的抑えめですが、この作品では十分ではないかと思います。絵が気に入り、可愛くて切ない話が読みたい方にはとてもお勧めです。
個人的にはぜひ続編を期待したいです。一つの作品としてはこれで終わっても良いと思いますが、この二人が本当に幸せになる終わりを読みたいです。