本作品は執筆者の影武者twitterで行われた作品候補アンケートより選出され、作品完成に至った。従い、プロットの段階である程度の人気があった脚本である。単純なエロ同人というよりも感動ポルノ的快感を秘めた作品である。体験版で描かれたサキュバス母娘との邂逅の顛末を描いている。
私も体験版を読破してから母娘の救済に期待を膨らませた。そしてそれは為された。これだけで本作品を購入する価値があると言うものである。勿論、性描写も抜けた。が、本作品の魅力はそれだけで収まらず、サキュバス母娘との交流模様が主題なのだ。更に、只の本編のページ数は凄まじく、なんと約600ページである。これが二千円台で売られているのだ。また、Twitterアンケート時から待ち続けた身としてはこの内容量でこの値段は安過ぎる。是非、読んで欲しい。
個人の性対象から性産業までがセクサロイドに支配され、人類から子孫繁栄の黄金比が喪われた近未来。安易な性対象により人間同士の性行為が廃り、世界人口が激減した。時の国家首脳は火消しのため、セクサロイドの個人保有を禁じたが、人類にセクサロイド依存から立ち直る程の理性は無かった。こうして世界から、人類から愛や絆は喪われてしまった。
元孤児の主人公は人生に疲れていた。職業は警察官である。配属先の任務は違法となったセクサロイド個人所有の取締りと回収である。他者から家族同然のセクサロイドを強制回収し、その日も罪悪感から精神を磨り減らしていた。そんな中、偶然見かけたサキュバス母娘を拾う所から物語は始まる。
この世界にはサキュバスがいる。伝承や物語だけでなく、実在するのだが、セクサロイド出現以降は人と性行為を営めず、殆どの者が飢え、乞食と化していた。
そんなホームレス同然の母娘を主人公は自らの営みに招いた。やがて、主人公は愛と絆を取り戻していく。