一陣の光さんのレビュー一覧

アへ顔さらして快楽に酔いしれるヒロインも良い
ですが、凛として崩れないヒロインもまた、記憶
に残る”ごさいじ”先生、”comic快楽天”へ掲載さ
れた、二話構成・一作品と前・後編構成・一作品、
短篇・四作品を収録したワニマガジン社刊として
は初めての、自身通算二冊目な単行本。
印象に残った収録作品は、周りが彼女を作ってい
る中、恋愛にピンとこない為、イマイチ踏み出せ
ずにいる男子主人公”谷地”が合コンで知り合った
ヒロイン”水野えり”に誘われて、脱・童貞を果た
すも…前・後編構成「アマイアイマイ」。恋愛に
ピンと来ていないのはヒロインの”えり”も同様で
カラダの関係を積み重ね、相手と向き合ってゆく
姿を緻密に描いた、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、”ごさいじ”先生の
初期短篇作品「初顔」でも感じた、凛として崩れ
ないヒロイン像。カラダの関係が成立すると得て
して『なあなあ』に陥るモノですが、”ごさいじ”
先生は登場人物へ一線引いた関係性を堅持させて
いて、その点が、作家としての矜持というか理想
の女性像なのかな、と、読了後に感じました。
男子主人公とヒロインとの関係性に重きを置いた
世界観が、爽やかな読後感を読み手へと残す一冊。

”ぴょん吉”先生の掲載短篇が二本立てで、その世界観が堪能できる”comic快楽天ビースト”2023年02月号。印象に残った掲載作品は、先輩さんな男子主人公”古間”と初体験したヒロイン”蒼桜”は今までなら気にも留めなかったコトを妄想してしまい”古間先輩”との関係がギクシャク…”ぴょん吉”先生、秘密な社交場に刺激を求めて来場するヒロイン”ジュリ”が今夜の相手に選んだのは…”イゲドアハ”先生、イマイチ冴えない男性主人公”横倉”と陰で『キツイ氷女』とささやかれているヒロイン”透子”の結婚式で二人の隠された関係性を描く…”ぴょん吉”先生などなど。クールな美女とぽわぽわした女の子との”ぴょん吉”先生が魅せる高度な描き分け技量が堪能できる一冊。

”ホムンクルス”先生の本誌掲載短篇と連動した表紙のヒロインが眼福な”comic快楽天”2023年02月号。印象に残った掲載作品は、祖母が腕を骨折し不自由になったことを見かねて里帰りした男性主人公が幼馴染で人目を惹くルックスのヒロインと再会して…”ホムンクルス”先生、ワニマガジン社刊としては初単行本に収録された短篇の後日譚でプールへやって来た男子主人公とヒロインを描いた”ごさいじ”先生、いまいち冴えない叔父な男性主人公にほのかな恋心を抱いているヒロインが急展開する状況の中で彼に想いを伝えるセックス…”翁賀馬乃助”先生などなど。増ページで華やかな一冊。

ファンタジーあり、パパ活あり、姉妹丼ありと様々な
設定から生命力溢れるカラミを描く”藤丸”先生、グラ
ビアカラー三作品と”comic快楽天”へ掲載された短篇
九作品に、SNSで配信された本巻・収録短篇の後日譚
一作品をおさめた、自身三冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、卒業後、実家のふとん店を
手伝っているヒロイン”石川”の元へ、片道二時間かけ
東京のブラック企業へ働きに出ている、お疲れ気味な
男性主人公”星野”が枕を買いに訪れて…な、SNSで配
信された後日譚も嬉しい、”快楽天”へ掲載された短篇
「石に枕し流れに漱ぐ」。無邪気に笑う自分の息子へ
大真面目に「ここはオレの場所だ」と説教する”星野”
の大人げなさが記憶に残る、お話でした。
読んでいて感じたのは、コミカルな展開とエネルギッ
シュなカラミとの、”藤丸”先生が醸し出す、絶妙なバ
ランス感覚。前述した「石に～」の男性主人公”星野”
は、”藤丸”先生ならでは、な、キャラクターの筆頭と
いえると思います。
カラミのボリュームを重視・考慮する作家が多い昨今、
読み物としての設定も大切にする、読後感の良い一冊。

ヒロインがメイドさんなストーリーが多かった”comic快楽天ビースト”2023年01月号。印象に残った掲載作品は、同じフロア―で働く男性主人公と中途採用入社なヒロインがラーメン屋で同席したことで…”仲野まち”先生、男性経験皆無のヒロインがお屋敷の住み込みメイドとなり経験を積んでゆく…”山芋とろろ”先生、クリスマス当日に母親の買い出しに付き添う彼女ナシの教員な男性主人公が保健の先生なヒロインとイイ雰囲気に…”にこびぃ”先生などなど。年末進行の慌ただしさを束の間忘れさせる一冊。

本誌の表紙を飾る、黒髪・ロングの正統派ヒロイン
”乙葉”が美麗に過ぎる”昼寝”先生、同人誌にて発表
された短篇・二作品、”comic快楽天”で掲載された
短篇・三作品と”WEEKLY快楽天”配信版にて発表し
た四話構成の中篇・一作品を収めた、R18作品とし
ては自身二冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、ヒロイン”乙葉”に初彼氏。
女子友から祝福され、彼女たちからのプレゼントな
ゴム製品を持参しての、祝・初おうちデート……な、
”乙葉ちゃん”シリーズ・一話目「幸せ乙葉ちゃん」。
大柄でマッチョな彼氏と、巨乳ながら小柄で可憐な
ヒロインとの対比に、エロティシズムを感じさせる、
お話でした。
読んでいて感じたのは、作中の男子主人公のセリフ
『この子は他の男に取られたくない!』というセン
チメンタルな部分と、巨根でパワフルなフィジカル
から繰り出されるカラミとのグラデーション。これ
があるからヒロインはその行為を受け入れ、読み手
へとエロティシズムな波動を送り込んでいるのでは、
と、読了後に感じました。
熱量高い描き込みが施された、正確な素描の可憐な
ヒロインがパワフルにカラむ、リッチな一冊。良作。

配信の開始を心待ちにしていた”イゲドアハ”先生、
二本構成の一作品と短篇四作品を収録した、自身
初の単行本。
印象に残った収録作品は、男子主人公”ウエダ”と
ヒロイン”ヤマモト”は、ひっそりとオタクやって
る幼馴染。巨乳ながらモサっとした外見の彼女に
安心しきっていたが、そんな”ヤマモト”から野球
部男子に告白されたとの報告を受けて…な、短篇
「幼馴れ初め」。隠し持っていた『大好き』とい
う感情を解放する”ウエダ”を柔らかく受け入れる
”ヤマモト”が記憶に残る、お話でした。
読んでいて感じたのは、不器用な登場人物を繊細
に描写する”イゲドアハ”先生の技量。前述した短
篇「幼～」や、男子主人公を敢て竿役に徹しさせ
男女交際に不慣れなヒロイン”関口マイ”の魅力を
引き出した短篇「マイガール」とか、『大好き』
という感情にまっすぐ且つ正直な、二本構成・シ
リーズ「ポメラニアン」のヒロイン”下瀬茜”など、
決して器用とはいえない登場人物の情熱的なカラ
ミを丁寧に描き込んでいました。
初単行本とは思えない完成度の高い一冊。超良作。

本誌の表紙にもなっている”きい”先生の女の子が神がかっている”comic快楽天”2023年01月号。印象に残った掲載作品は、文化祭で軽音ライブも披露した男子主人公の部屋を訪れたベーシストなヒロインとのつかず離れずな関係…”きい”先生、活字が苦手な男子主人公が最近通っている本屋さんにはお近づきになりたいヒロインが…”オクモト悠太”先生、公園で腐れ縁な男子二人がオンラインゲームをしていたら一緒にやりたそうなヒロインが参加してきて…”Hamao”先生などなど。”きい”先生のへそピ・スレンダーヒロインとは真逆な”オクモト悠太”先生のムチムチ下半身・ヒロインも眼福な年末進行の疲れも吹き飛ぶ一冊。

早逝された”カネヤマシン”先生の世界観を思い起こ
させる”せうま”先生、『音楽』と、かかわりのある
ヒロインを主軸とした既刊の初単行本から更に鬼畜
へシフトした、前・後編構成の一作品と短篇七作品
を収録した、自身二冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、一年目ながら注目されて
いる研修生声優のヒロインが、音響監督の男性主人
公から己が性欲を叩きつける対象として標的にされ
る姿を描いた短篇「共鳴する膜と声」。
読んでいて感じたのは、早逝された”カネヤマシン”
先生の世界観を引き継ぐかのような”せうま”先生の
作品世界。ヒロインの処女性をカラダは勿論、精神
に至るまで破壊しつくす、そのバイオレンスな世界
観に、”カネヤマシン”先生の出世作「聖・姦獄学園」
を思い出しました。後年、リョナ的方向性へ移行し
た”カネヤマシン”先生でしたが”せうま”先生は今後、
どのようにして自身の作品世界を方向付けしてゆく
のか、に、個人的興味をそそられました。
『処女膜』を象徴としたヒロインの処女性へ自身の
作家としての『こだわり』を詰め込んだ短篇作品集。

”雛咲葉”先生の超絶お嬢様キャラが濃厚すぎて…”comic快楽天ビースト”2022年12月号。印象に残った掲載作品は、柔道部の猛者な男子主人公が女子部員の友達なヒロインを助けたことから…”雛咲葉”先生、部活が忙しくて女の子とのお付き合いに消極的な男子主人公へ告白したヒロインが…”Pennel”先生、学園祭のノリで彼女が作れるかと邪な下心を抱いた男子主人公が闇営業の風俗店で出会ったヒロインと…”こっぺ”先生などなど。”雛咲葉”先生の超絶お嬢様が目に焼き付いて離れない一冊。