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作品内容
ジングルベルが鳴り響くクリスマスの夜。
今、僕は母さんと腕を組んで街を歩いている。
恋人たちが行き交う交差点。
けれども僕たちを振り返り見る人はいない。
母さんは若くて美人で、きっと僕たちを親子だと思う人はいないだろう。
名家の跡取りだった父さんは、若い頃に大病を患い亡くなったらしくて
物心ついたときからずっと、僕たちは親一人子一人だった。
母さんはずっと僕に甘あまで。
子供の頃から、欲しいものは何だって買ってくれたし
今でも頼めば何だってしてくれる。
朝も晩もキスをして、愛してるわよと言ってくれる。
風邪なんかひいたら大変で、泣きながら一日中
付きっ切りで看病してくれる。
最近は、笑った横顔が父さんによく似てきたと言って
暇さえあれば、いつも僕の顔ばかり見てる。
僕は、そんな甘あまな母さんが大好きだ。
だから昨日、クリスマスイブに、僕はずっと欲しかったものを
母さんにお願いしてみることにしたんだ。
「母さんが欲しい」って。