本作は2013年にウグイスカグラより発売された成人向けノベルゲーム「紙の上の魔法使い」に登場するヒロインの一人、月社妃との再会を主題とするボイスドラマです。
しかしながら初見の方にも楽しめるような構成となっております。
彼女は主人公の実妹であり元カノです。(何を言ってるのかわからねーと思うが原作通りです)
その生き様や声優である御園生メイ氏の熱演、兄への狂気的とも言える愛情から非常に人気の強いキャラクターであり、私自身も大好きなキャラの一人です。そんな妃ともう一度会う事が出来て大変な喜びと共に胸を締め付けられるような思いでいっぱいでした。そして枕元が涙と鼻水に塗れたティッシュでいっぱいになりました。
ここから先は本作や原作の致命的なネタバレとなります。
本作にて、残された兄へ自分が居なくなった後も生き続けるように激励する妃を見て、最愛の人と共に生き続ける事が出来なかった彼女を思いとても辛くなりました。
そして、その後の兄の行動によって彼女が醜悪と称した願いは成就してしまいます。
とても悲しい事のように思えますが、兄と妃の魂は星になり、夕暮れの教室や棄てられた教会、静かな図書館でずっと共にあると思うと少し穏やかな気持ちになりました。
また、双子の兄妹は前世で心中した恋人の生まれ変わり、等という俗説もあります。仮に生まれ変わりが有るのだとしたら、妹の後を追って死んだ兄は次の生でも妃と兄妹になるのでしょうか。そんな二人が今度こそ不幸ではなく幸福を願いながら生きるようになる事を祈っています。