ネット漂流者さんのレビュー一覧

細かいことを言えば、美貴たちが交尾犬にされる展開の話に多少無理があるかな?と思うところはありますが、全体としては良い作品です。
特に、交尾犬として売られた相手が自分と遺恨があった人物だったというところは、ゾクゾクさせられます。
ただ、惜しいと思うところもあります。
美貴は交尾犬として売られたことにより妹・由美と離れ離れにされているのですが、そのシーンの描写がないのが残念ですね。
「さあ、おまえたちの買い手が決まったぞ。姉はこっち、妹はこっちだ」
「姉さんと別れるなんてイヤ!」
「もしかして、これが今生の別れになるかもな」
「ああ…そんな…」
といった感じで。

このテの女責め・男受けの作品はえてして女性が高飛車で生意気なキャラなのが常なのですが、この作品の内村ゆきは(やっていることはキツイものの)そういった態度は微塵も見せず、ソフトな対応で責めにいっているところが好感が持てます。もちろん、それは相手の「ぼく」がゆきにとことんまで惚れているがゆえに、彼女の要求に(妥協案を出したり、驚きはするものの)最終的には従ってしまうというところもありますが、責めの内容があくまで性的欲求の抑制と羞恥攻めに絞られ、痛みを伴う責めがないこともあります。
最後は、ゆきに身体が疲弊するまで責められますが、(別の選択もありますが)そういう状況に追い込まれても、ゆきへの愛情を貫こうとする「ぼく」の行動に感動させられます。
私の知る限りでは秀逸の作品だと思いますが、「ぼく」がゆきへの愛を貫く選択では、最後にその後の二人がどうなったかの描写がありますが、そこに至るまでどういういきさつがあったのか(文章だけでもいいので)説明があればよかったと思います。
このサークルさんには、ぜひともこの作品に迫るような新作をお願いしたいです。

この作品は、ショタへの復讐→誘拐→監禁→調教→お互いの軟化→心が通い合う、といった内容なのですが、その手の作品にはつきもののセリフ、
「お願い、家に帰して」「お前はずっとここに居るんだ」
とか、ラスト近くでの、
「家に帰りたくないか?」「ううん、○○さんとずっと一緒に居たいんだ」
とかいったセリフがないのがちょっと残念ですね。
このサークルの他の作品を見る限り、猟奇色を出さないようにしているわけではなさそうですし、それらのセリフがあれば、作品のゾクゾク感が出たと思うんですが…。

内容については他の方が説明しているので、私から言うことは特にありませんが、これは是非とも続きを聞きたいですね。

「夏休みの間」と冒頭で言ってますが、姉妹たちの様子からして、それで済むとは到底思えませんね。

最終的に「あなた」はどうなったのか?とても気になります。