月の下さんのレビュー一覧
レビュアーランキング | 480位 | (役に立った数:273件) |
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投稿数ランキング | - | (総レビュー数:77件) |
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猫屋敷シリーズ第三弾。今回は新たな担当の丑緒さん。
落ち着いているようで活気な雰囲気を纏うお嬢さんです。
聞き手とは昔馴染みの間柄なので、口調が砕けているのがすごくいい。
季節は巡り、冬となり温泉街も雪化粧。
ちょっとした散策だけでも、冬の野外の雰囲気を楽しむことができます。
お宿に移っておもてなしパート。今作にも耳かき工房さんの特徴と感じている「語り」部分は健在。
会話の中に自然と情景を思い浮かばせるようなフレーズを混ぜた語りと囲炉裏のパチパチとする音で、臨場感がさらに上がります。
そして相変わらず会話でお腹も空かせてきます。今夜は鍋じゃ。
七瀬真結さんのか細いながらも活気さや悪戯好きさを感じる演技もよきかな。
おもてなしはしっかりと行いつつも、緊張感を思わせないおしゃべりのトーンのおかげかこっちの肩の力も抜けてきます。
またサービス内容も触れ合うものがメインなためか、距離感がめちゃ近く感じるのもよかったです。
シリーズの例にもれず、安心安眠かつ語りによる没入感を突き詰めておられます。
ゆったりした雰囲気をお求めの際には猫屋敷へお越し下さい。
以下、ちょいとメタいお話。
「ミルクの牛じゃないですー」とは言ってますが、猫屋敷の女将さんの命名法則的にはそうな気がしてならない。
でもそれを言うと背中をばっしばし叩かれそうです。むしろ叩いてほしいので誂う次第。
それと続けば12+1人のおもてなしが受けられるのか?そんな楽しみにしてる1ユーザーの妄想ごとでした。
A.日常全てがいちゃいちゃシチュエーションになる。
最高かよ。最高だね。
帰ってきた全肯定まおー様。予告にお顔が見えた瞬間、画面の前で小躍りしました。
今回のプレイ傾向としては、日常の一コマ…からのいちゃいちゃシチュエーション化といったところでしょうか。
朝起きたら魔王様が起こしてくれてご飯作ってくれて一緒に食べて…時間があるのでいちゃつく。
行き帰りの満員電車で一緒に揺られながら…密着しちゃったので野外だろうといちゃつく。
お風呂入ってお話をちょっとしながらリラックスして…たんだろうけどいちゃつく。
ゲームで打ち負かしたあとに寝床で本格的にラブラブでいちゃつく。
おはようからおやすみまでのいちゃつきフルコース。何だいこいつァ、幸せで胸焼けがするぜ。
魔王様の計り知れぬ圧倒的パワーはもちろん健在ですが、前回とは違って人間界の日常に溶け込んでいたりと、日常描写を少しばかり加えたことで「共生感」が強く表れたなーという印象を受けました。
それの何がいいって、自分も魔王様に甘えていれば、魔王様も自分に甘えているいうことの証明になることですよ。
魔界を統べて、勇者たちを千切っては投げした最強存在がちっぽけな人間一人の自分を全力全開でラブを求めてくるわけでして。
対等どころか愛すべき大事な存在と認める。それは聞き手でもある人間にとっても同じ認識であろうて。
この愛し愛されの相互関係こそが、この作品に秘められる「全肯定」だと、そう強く思いますね。
―――あゝ成程、そうした相互肯定こそが子作りえっちへと繋がり、子宝という愛の結晶が生まれるわけだな諸君。今このレビュー書いてて勝手に納得したよ私は。
日常は天国と成り得る。そう、魔王様さえいれば。
どうして俺の横には居ないんだっ…!と本気で思った貴方。それは等しく正しい。
あと私はワガママなので魔王様とデートする続編を欲させていただく。
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可愛い声の駄洒落が100回降り注ぐ。降り注ぐだけ。ホントにそれだけ。
最初はオーソドックスなもので始まり、後半はちょっとだけ凝ったのが出てきたり。
駄洒落を可愛く言うのは誰じゃ。はい、和鳴るせさんです。
くすくすとかフヒッと笑う声がたまーに入ります。
100の駄洒落に、少々のくすくす笑い。このスーパー下らない構成(褒めてます)に、どういうわけか癒やし効果があったりします。
いや…癒やしというより和み…ああこれ脱力ってやつかもしれん。
ふと耳寂しくなった時、再生することをオススメします。
聞いてる間、肩の力が抜けていくのがわかると思います。
心には、理性というストッパーになるものが存在する。
日々の生活において「これ以上は不味い」と思う瞬間は少なくはないだろう。特に、カッとなって「何か」をしてしまった直後がいい例だ。
”それ“をやってしまったという後悔と、それでも心の奥底で燻る行き場のない黒い感情。
後悔の念を抱くのも、黒い燻りを堪えなきゃならないと暗黙的に思うのも、この理性がそれらを押し留めているからだ。
だがこの作品はタイトルにも書いたとおり、この理性を外さねばならなかった作品である。
妹がいる。聞き手である貴方のことが大好きで、貴方のために貧しい日々の中、少々のドジをしながらも頑張って生きている。
貴方は兄だ。妹のことを大事に想っていて、彼女のために貧しい日々の中、沢山の苦労をしながらも俺は頑張って生きている。
お互いに支え合って生きている、はずだ。ああでも何だか不公平ではないか?貴方はこんなに頑張ってるのにあいつは何をしてるんだ?何で俺は??
…今作品で特に恐ろしいのが、妹であるかえでさんの演技だ。
怯える声色。耳を劈くような悲鳴。殴られた際のくぐもった声。そして何より、聞き手にすら、一瞬でも苛立ちを覚えさせる癇癪。
その演技は聞き手を彼女の兄へと仕立て上げる麻薬ののようである。
ならば、真に恐ろしく凄いのは妹も、兄も、聞き手も壊してくる脚本では―――?
とまぁ、なんだか奇っ怪なレビューをしたくなるほどこの作品オンリーの魅力が溢れております…
最初の通し視聴の際に、何度停止ボタンを押そうと思ったか……何故か止められませんでしたが。
諸々が極まりすぎていて、何度も書かれているように、決して万人受けするようなタイプの作品でないことを留意してください。
でも、音声作品だからこそ、仮想とはいえトラウマを抱くような場面を体感できるのでは…?
もし、覚悟を持てたなら、一度聞いてみることをオススメ致します。
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また向かおう。その宿への道はやはり険しかったが、それでも足を止めることはしなかった。
しばしの遭難を経て、辿り着いた先にて迎えてくれた双子の女中は―――やはり、“雪女”だった。
待ちに待った雪女の宿シリーズ、第三作目でございます。
今回の担当はネリーさん編の後日談で登場した双子、エクレアちゃんとアズキちゃん…ではなくエレナちゃんとアイリーンちゃんです。
二人は一作目の小雪ちゃんより、さらにあどけなさが目立っている感じ。小雪ちゃんが新米ならこの二人は見習い、といったとこか。
到着早々に捕まり、一緒にお風呂に始まり、お昼寝とお絵かき、オママゴト…とおもてなしは年相応でなんだか可愛らしい気がします。
それぞれのシーンでの高品質な音によるAMSR体験と臨場感は凄まじいの一言。
―――が、やはり雪女。部分部分でその面が顕になってくるわけで…
今作のポイントは「対比」。お世話係が二人だからこそできるテーマですね。
そこは逢坂成美さんの演じ分けが凄まじいです。姉で子供っぽいエレナ、妹でおませさんなアイリ。
顕著になるのはトラック4…いやもうトラック2辺りからもうその片鱗出てるかも…トラック5からはヤバい。
そういうことで。遊ばれちゃってください。はい。
やはり、聞き手を作中に引き込むストーリーラインが絶巧。
前作後日談という前提はあるにしても、聞き手が二人にのめり込めるよう丁寧に描写されており、感情移入度合いが桁違いです。
聞く時は腰を据えましょうね。
さて、作中内とサークル様のようつべチャンネルにて公開されている朗読劇にて、聞き慣れないお名前が数名出てきています。
次はその子たちの出番でしょうか。そして、彼女たちを取り仕切る女将さんとは一体何者なのか。
またこの宿に向かうのが楽しみになりますね。
そして最後に一言。
まさか彼女を超えるモンスターとは思いませんでした。でした…
優しさで駄目にされる。された。
劇薬たる全肯定ってのはこういうことなんだな、と。
魔王様という圧倒的なパワーと人知では計り知れないスケールの魔界的価値観によって骨の髄まで甘やかされます。
これまでの全肯定は一種の現実逃避感がありましたが、今回のお相手は魔王様という人外の存在。
中途半端な現実感をいい意味でぶっ壊してくれるので、現実逃避どころか現実崩壊を起こしている感じ。
ここに天知さんのゆるふわボイスが加わることにより耳に甘すぎる生クリーム突っ込まれ続ける感覚もしてきます。
全肯定や母性といったテーマは現状では数多くありますが、この作品の特徴としては「魂のステージをあまり下げないまま甘やかされる」というのが大きいと思います。
他の甘やかし音声だと聞き手の精神ポジションが赤ん坊や子供になったり、いわゆる「甘えて当然の立場へ置き換わる」のがよくあるパターンでした。
しかし、今回は相手が魔王様。聞き手がどんな立場であろうと相手の方がダントツに上です。
そんな魔王様が好意500%の全力で甘やかしに来るわけでして。
そういう点から、避けることのできない暴力的なまでのひたすら圧倒的な全肯定がこの作品に秘められているのではないかと私は考えます。
「そーんな小難しいこと考えてないで、余に甘えておいでー、にーんげん(はぁと)」(CVあまちー)
あ、ハイそうします。
―――こうなるくらいには、私は魔王様抜きではいられなくなってるのかもしれない。
汝、闇の魔術師たる愛くるしき半身の言葉を理解せし時、その業に依りて穢れを清め、天にも昇る悦楽を手にせしめん。
然らばその身を半身の下に預け、一夜の忠誠を誓い、闇の魔術の洗礼を受けたまえ。
そして喜べ、汝は深淵にて繋がりを得て、大いなる祝福に召されるであろう。
ハイ、そんなこんなで中二病の義妹がなんやかんやで癒やしてくれます。
あなたはこの義妹ちゃんのお義兄ちゃんです。しっかりと付き合い、共に高みへと導いてあげましょう。
本編の8割はノリが痛い&軽いですが、義妹ちゃんの魔術(耳かき)の腕は確かです。深く考えずに魔術師の妙技に酔い痴れるのが吉です。
そういう訳で「ハハハこやつめ」とか「そだねー」と色々ツッコミながらも微笑ましく思いながら聞くのがいいかもしれません。
何故なら義妹ちゃんの中二病的行動に疑問を持つよりも、ゆるーくノリに合わせることで一段とのめり込めますので。
でも途中で冷汗かいても私は知らないにゃーん。
そして本編の残り2割、ここについては聞いてからのお楽しみ。
ここに義妹ちゃんの魅力がさらにたっぷり詰まっております。それとこのシナリオにおいて「義」でなけれなばらない理由もそこに。
小山ハルさんの痛可愛くも愛くるしく感じられる演技と、端々で義妹ちゃんの気持ちが垣間見えるシナリオの融合がお見事なり。
そしてお馴染みのアンビエントBGMもいい仕事をしています。
コミカルだったりシリアスだったり、シチュエーションの雰囲気を盛り上げてくれます。
耳かきといった従来のASMRに加えて、小難しくも聞き心地のいい中二用語の連鎖がお好きなら迷うことなく聞くべき。
むしろ軽い気持ちで聞いて、後半にて義妹ちゃんの魔術で絡め取らるのが幸せかと。
…ところで我が半身よ。そのネクロノミコンは闇の炎で浄火なさい。今直ぐっ、早急にっ……!お義兄ちゃん的に色んな意味で危険だから……!
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1年半ぶり、せりさんななつめ。
ちょいと暑くなりつつも涼しい夕時にぴったりな雰囲気の一本でございます。
あの冬に置いてきた魂がようやく帰ってきた気がしたのは気のせいではないでしょう。
第一部、せりさんの世間話
のすたるぢっくな思い出話を田舎風と共に耳に受けながらのんびりてくてく。
…そこからシームレスに得意のアレになる辺り、ああこの人コレ好きなんだなぁって顔が綻びます。
途中からいのこさんも参入してばっくやーどな掛け合いも開始。ああ俺今この世界で歩いてる…
それと「アナタ」ですってよ、口角上がりますってこんなん。わかるー。
第二部、おみずASMR
諸事情からウキウキ気分で湯船に向かうはちょっとオトナ向けなサービス。アルコール的な意味で。
お風呂でお酌で温まりながら、背筋は冷えるいつもどおりの怪談四連撃です。だが今回も入れた気合が違いなっせ!
ASMRというのに偽りなく、あらゆる音を駆使しているので中々の臨場感がございます。
そしてちょーっとしたハプニングも…?
第三部、ゆうやけみみかき
ぱちぱちと線香花火を楽しみながら、夕焼け小焼けでつっつかれ。
帰る前にはゆったりと、でもどこかもの寂しげな雰囲気…からのせりさん分充電。 ぬくもり…ぬくもり…
縁側での耳かきなので屋外の環境音も完備、夕日を眺めるための心遣いも嬉しみ…さすがは女将…
こんなのまた帰りたくなくなるじゃないですかのフルコース。…いつもの事では?言うないよ。
長年の付き合いの積み重ねからくる常連さん特有の蓄積毒が満載で、いつもながらに「また帰ってこよう…」って気分になります。
そうです、道草屋には行くのではなく、帰るのです。
悲しくても、寂しくても、泣いてもいいから、また芹さんに会いに、帰らねばならぬ。ならぬのですよ旦那様。
だから聞いたあとに魂が無くなった気がするのはそういうことなのです。
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まさかまさかの死神ユリちゃん3作目。今回では過去に三途の川の船に乗った人物が聞き手です。
つまり聞き手の私は複数回死にかけているということですが…そこは今回の話のキモになる部分なので、ほんのり覚えておきましょうね。
三途の川にも三度目、またもユリちゃんに金縛りにされて耳中2.5cmで毒針を揺さぶられます。
ただしユリちゃん、常連客(?)ともなった私に対して前2作とはかなり違った態度になっています。
過去二作では聞き手とユリちゃんの心の間が空いていた感覚がしましたが、今作は近いです。それも密着レベル。聞き終わってイラスト見返したら、あぁこの距離だわってなるくらいに近い。
といっても相変わらず生殺与奪の権は握られっぱなしではありますが…今回はそこに温もりが感じられるのではないでしょうか?
前作β-2を尖りに尖った、と表現しましたがやはり今作も尖ってます。
その尖り方も別ベクトルな尖り方もあるもんだと唸りました。
内容としましてはβ-2の後半部分をさらに煮詰めた具合に仕上がった印象を受けたため、日々の生活に乾きを感じている視聴者には致命に至る毒になるかもしれません。
死と安らぎがテーマとも思えたシナリオ構成が見事の一言。
過去2作を聞いてきたからこそ活きるシリーズの積み重ねもあるので、過去作を聞いてきた方は是非。
シナリオにのめり込み、聞き終わった時にはじーんわり暖かい感じがしました。
トドメに最後に聞く音にアレを持ってきたのは理屈はわからないけど憎い事してくれたなコノヤロウ…となりましたね。
しかしこの毒針の遅行毒、ホントに劇毒すぎやしませんか。
…私は貴女が迎えに来るのが楽しみになってしまったよユリちゃん。
レビュアーが選んだジャンル
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初回視聴で「夢で死神に二回くらいヤラれてるぜぃ!」って冷や汗かきながら呟いてしまったあたり、私の身体には毒がかなり回ってるんじゃなかろうか。
船の上で揺られながらシチュエーションも似てますからね。
やはりこの毒針耳かきの「安心するための行為がひっくり返って緊迫している」という矛盾したシチュエーションは唯一無二。
割と危険な状況なのに眠くなるのはどういうことやら…
ダークアンビエントはいい仕事をしています。不穏なのに睡魔がががが。
また望月のあさんの演技が素晴らしい。
顔に影を落としながらいい暗黒微笑で諸々の行為をしてくれてそうで、恐ろしさより感心が来てしまったあたりやっぱり毒が回ってるわけで…
敢えて同じ毒針のぐっすりβのユリちゃんとの比較をすると、感情のノリが結構違います。
ぽつぽつと喋るユリちゃんに対してヤンデレさんはゆ~らゆ~らと途切れずに喋るので雰囲気がガラッと変わっていますね。
しかしまぁこのヤンデレさん、拉致行為の経緯を語ってるのがすっごい楽しそうなのが何故だか和みます。やはりヤンデレ特有の理解しがたい理論展開ですが。
そういう点でも、恐ろしい内容なのに和むという逆転現象が出ているあたり、コレはやはり毒針耳かきなんだなと意味不明に感心してしまいました。
…いや状況的にもう絶望的だから諦めもあるのかコレ……?
色々混乱したレビューをしていますが、この奇妙な感覚こそが毒針耳かきに潜む快感の遅行毒ではないでしょうか。
βからさらに色んな意味で尖って再来した毒針耳かきのη、如何でしょう。