穂積さんのレビュー一覧
レビュアーランキング | 4位 | (役に立った数:1,056件) |
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投稿数ランキング | 142位 | (総レビュー数:259件) |
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これは批判ではないつもりで言うのですが、マッサージ部分に期待して再生ボタンを押す作品ではありません。
半ばアプリのCMとして、無料で頒布されている作品に過度の期待をしても仕方ないと言うのが正味の実情です。
また、近年は音声作品の長編化が進んで2時間越えも珍しくないDLsiteの感覚に対し、本作は収録情報の欄に書いてある通りの総収録時間でマッサージ部分はその内の半分にも満たないので、人によってはリラックスし始めたと思ったら終わってる可能性も無いとは言えません。
ただ、これは本作が無価値と言う意味ではありません。
本作の真価は「あの呂布奉先からご奉仕して頂ける」ストーリー性にあると思います。
まるで既に相当親密な女性から文化祭に呼ばれ、本来であればクラスの出し物の空間に二人だけの場所を用意して、気前よくサービスしてくれるラブラブな風景を「あの素肌ブレザーでお馴染みの呂布奉先」として想像できる仕組みがよく出来ていました。
単純に声優様の演技がアニメでの活躍を思い出させるだけではなく、会話の随所で闘士ゆえの学園生活が垣間見えて通常の学校との違いを認識できるのが大きいです。
そして、「呂布としての運命」による儚い未来も覗かせ、男勝りな強い女の子なのに病弱少女のような庇護欲もかき立てられるシナリオでした。
上記の通りマッサージは決して潤沢な時間ではない一方で、密着してスキンシップを味わうドキドキ感としては充分でもあります。
特に、頭を撫でてくれるシーンでは母性的な安らぎを感じ、こんな彼女に甘えられる幸福感を得られました。
PS:作品側のタグに「耳かき」付いてますが、耳に息をフーならしてるものの、耳掃除と言う意味の「耳かき」は本作内に存在しません。
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姫様、格好良いよ姫様。
いえ、村人だって格好良いし、賢人だって格好良いし、若き探窟家だって格好良いし、モフモフだって格好良いし、奈落の至宝だって格好良いです。
姫様はツンデレ通り越してブチ切れ狂戦士かと思いきや母の願いを叶えようと奮闘する姿は痛々しいほどで、そのボロボロの惨状には同情すら覚え応援したくなりました。
村人は終焉の到来に怯え、茫然自失になりつつも、最も大切なものは忘れておらず、自らの命すら顧みない姿勢が尊敬に値します。
賢人は全て承知かのような叡智を持ちながらも、それと奈落に抗えるかは別問題で、成れ果てた身をすり減らして使命を果たす姿が流石でした。
若き探窟家はただ見ているだけ、ただ守られているだけの存在ではなく、今でき得る最大の援護を頑張る活躍が輝いていました。
モフモフはモフモフしてるけど、伊達にモフモフしてるだけじゃなく、現状を最も把握して最も冷静な判断を下せる事実上の司令塔でした。
奈落の至宝は正しく姫を救う勇者であり、その奮戦と優しさは少年漫画のヒーローでした。
ほのかなSFでもあります。
(1)常にマスクを着け、仲の良い友人ですら鼻から下は見た事が無い。
(2)密を避けるのが当たり前。
(3)想い人に料理を作る時ですら衛生面に考慮しニトリル手袋。
(4)学食とはホールではなく、トイレみたいな個室がズラリと並んだ個食。
(5)感染予防に違反した者には講習会。
等々細かな文化の違いに斬新さを感じつつ、庶民的かつ日常的な学生同士の触れ合いを描いています。
言い換えれば、感染防止が徹底した日本におけるラブコメです。
個人的には(4)が盲点でした。
確かに、広い空間で一斉に食ってたら飛沫感染しやすいので当然の帰結です。
だからこそ、食事風景が痴態かのような価値観が生まれ、着替えやトイレを覗かれたにも似たリアクションには驚きです。
これらがあるから、ラッキースケベ的に口元を目撃してしまったハプニングが恥部を目撃したような禁断性を生み、恋のきっかけになり得る世界を極めて説得力強く描いています。
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これは表紙や冒頭ページだけの、いわゆる掴みのサービスカット的なものではなく、本作のヒロイン魔女見習いの女の子は標準的に服を着ていませんから安心してください。
上も下も丸出しでローブ羽織ってるだけです。
外に出る時も、主人公の少年と会話する時もです。
純真な中学生男子ならば目のやり場に困りっぱなしです。
ただ、流石に真昼間に出かけたり、学校に通うようになったり、俗世間との交流が増えると主人公の説得も相まって普通に服を着るようになります。
落胆してください。
裏を返せば、この辺が本作の肝の部分、普通の少年と常識外の少女によるボーイミーツガールを象徴しています。
そして、少し一緒に居て、少し手とかつないじゃうだけで、からかわれる中学生特有の多感な学園生活が甘酸っぱさにあふれていました。
つまり浮世離れした女の子が平凡な女の子と同じように照れて、同じように恋路に悩んだりする姿がギャップ萌え込みで超可愛い作品でした。
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【良かった点】
(1)共感・納得感が高い。
本作はいわゆる異世界転生モノではあるものの、主人公は飛び抜けたチート能力を付与されていません。
強いて言えば、おっさん臭い言動・仕草が気品あるお嬢様のそれに変換される機能を授かったくらいです。
裏を返せば現代日本人から乖離せず、非常に感情移入しやすい存在を維持しています。
また、王侯貴族が通う学園とはいえ、学生には違いないので主人公(おじさん)から見れば年下の少年少女にすぎず、親目線で温かく見守りたくなる気持ちが凄くわかります。
(2)なんならヒロインを攻略したい。
乙女ゲームとしてのヒロイン、言い換えれば本来の主人公ポジションの女の子が存在します。
悪役令嬢モノでは読者が感情移入しやすくするため悪役令嬢が良い人になってしまい、相対的に正ヒロインの性格が悪く見える場合も散見されます。
しかし、本作は可愛いんです。
良い子なんです。
おじさんが憑依した悪役令嬢を小動物的に慕い、一歩間違えたら百合の域まで突入する親しみ易さです。
しかも、純真で苦労を惜しまない努力家でもあり、普通に推せるタイプのヒロインでした。
【苦笑せざるを得なかった点】
(1)お前どう見ても乙女ゲーのヒーローじゃないだろ。
つまりは攻略対象男子がですね、女性向け恋愛アドベンチャーには見えないと申しますか、少年漫画から移籍してきた?感を拭えないと言いますか。
いえ、これは私の勝手な先入観かもしれません。
ただ、こいつZ〇IDSのパイロットだろって言いたいのを堪えきれずにPC画面に向かって呟いてしまったのも事実です。
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"標準的な"ホモサピエンスとは異なる体だけど、知性や人格は人間と何ら変わらない人々が少なからず存在する世界の話です。
彼ら彼女らは"標準的な"人から突然変異的に産まれるのではなく、おとぎ話のように大樹のふもとに実として生まれます。
本作は大樹と共存する日本社会で教師をする、サキュバスのような翼と角を持った女性教師を主人公にしています。
なんて小難しい説明は置いといて、素晴らしい作画力です。
サンプルからも一目瞭然の主人公のタイトスカートの曲線美に留まらず、男性教師や生徒までも写実的に美しく描かれています。
ストーリー部分を抜きにしても画集として価値があるんじゃないかとすら個人的には思うほどです。
しかし、実際はストーリーも引き込まれる内容です。
他の生徒とは違う体を持った異質な存在である葛藤、樹から産まれたゆえに血を分けた両親が居ない寂しさ、等々難しい命題が各話ごとに据えられ、思春期に限らず大人でも悩まされる話ばかりです。
しかも、ただ見た目が違うだけではなく、スポーツでは実績にまで影響する場合もあり、本人にも周囲にも妬みとコンプレックスを生んでしまいます。
それをサキュバス先生の助言や当人らの気づきによって解決する晴れやかな気持ちが読後に得られました。
DLsiteの同人フロアで大好評発売中の作品(RJ277606)がめでたく商業連載化した作品です。
原典では成人向けだったのが商業化に伴って全年齢向けにシフトしているものの、キャラクターの容姿や設定はほぼ引き継いでおり、変更点と言ったらメイドさんの押しの強さが既成事実まで一直線だったのが寸止めラッキースケベになった程度なので、ページ単位だとどっちが同人版か商業版か分からないかもしれません。
もとより彼女の魅力は全年齢向けの枷くらいで衰えるはずもありません。
クールで人形のように表情が変わらない美人の黒髪メイドさんは完璧な仕事ぶりに反して重度のご主人様ラブなのが本作のポイントです。
あたかも敬愛する主人をお世話するかのような自然な仕草で大胆な犯行に及び、少し油断したら脱がされて食べられちゃいます。
しかし、彼女の最大のチャームポイントはそのエロさよりも貫通力にあります。
自分で被っている無表情の鉄仮面を感情が貫通して、主人に冷たくあしらわれたら落胆し、告白めいた発言を聞いたら高揚感の花が咲く程にまで分かりやすいギャップ萌えにあります。
この可愛さはDNAに素早く届く。
重要ですよ、この巻は。
今まで謎だった部分が、暗躍していた影が、続々と明かされ「マジか!?」の連続です。
もっとも、謎がどうこう言ってる場合ではなく、まずは目前の危機に対処する巻でもあります。
表紙を鮮烈に飾る赤の脅威が主人公とヒロインに襲い掛かっています。
基本的に色を失った世界観において、やはり赤の持つ威力とインパクトは絶大でした。
そして、半ばコメディリリーフかにも思えた相棒の慟哭が格好良かったです。
サンプルに目次ページが載っているので一目瞭然ながらも重ねて言えば収録作は4つに大別できます。
(1)くろタイツ展
展示イラスト、アクリルボードのイラストなどを収録しています。
個人的にはらんぐ先生の描く、黒タイツ越しの縞パンが絶妙な透け感でイチ押しです。
(2)嫌パン×みるタイツ
DLsiteでは商業扱いで発売中の「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本1(BJ273932)」シリーズとのコラボ企画として刊行されたイラスト集を丸ごと内包した形です。
これはネコ科肉食獣の穴では税抜1,500円するので、文字通り本作の半分を担っていると言っても過言ではありません。
個人的には武者サブ先生の描く、セーラー服美人が羞恥に頬を染めながらスカートをたくし上げる顔がフェチ抜群でした。
(3)へそ×タイツ
へその第一人者様(RG50596)とのコラボ企画として刊行されたイラスト集を丸ごと内包した形です。
これはネコ科肉食獣の穴では税抜1,200円なので、金額的には本作の約40%を占めています。
個人的にはもきゅ先生の描く、センターシームからのダイヤマチのリアルさが必見です。
(4)描き下ろし
本作のためのイラストです。
個人的には五十嵐恭平先生の描く、足裏を向けた構図の黒タイツ少女から足蹴にされているような快感を味わえました。
上記の通り(2)と(3)は紙媒体での販売がありますが、DLsiteに限るなら重複の心配はありません。
もっとも、重複しても構わないかもしれません。
だって本作の値段から(2)と(3)の紙媒体版の金額を引くと税抜208円しか残らないのに、(1)と(4)を足したページ数は(3)より多いのです。
何を言っているのかわからねーと思うが私も何を発売されたのかわからなかった。
倹約術だとか超リブートだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わった気分です。
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2021年06月30日
ある意味でチートです。
いえ、主人公の事ではありません。
彼はこの世界に転生する際にチートな能力を贈呈されていますが、それの話ではありません。
この巻での新登場となる嬢、表紙を飾る美女、クールな眼差しがM心を熱くさせるワンレンボディコンのお姉さんの事です。
サンプルにも掲示の通り問題を抱えて主人公の邸宅を訪れた彼女は恐ろしい女性でした。
表情から受ける印象の冷淡なドSっぷりによる恐怖ではありません。
むしろ多少はツンツンしてプライドが高い性格ながらも、嬢である以上は相応の愛想はあります。
言ってしまえばポテンシャルがチート級なのです。
女子フィギュアスケートの難関が3回転半とされる中で軽々と5回転飛んで見せるような恐ろしさです。
いや、もちろん氷上競技ではなく性技の話です。
しかも、そんな彼女が好物を目の当たりにした時の顔たるや獲物を射程内に捉えた雌ライオンのごとき良い顔でした。
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