凄まじい才能。
生来の柔らかで可愛らしいルックスに注目が集まりがちだが、その表現力のキメ細やかさは特筆に値する。
本作でもその才がいかんなく発揮されている訳だが、特に告白からキスにかけてのシーンは羊宮さんの生み出す臨場感にひきこまれ没入させられてしまう。
個人的にASMR作品という物はある意味でネタとして一歩引いた視点で視聴しているのだが、本作では望外にドキドキさせられてしまい寝入りばなに聴いていた際には途中で止めてしまったほど。
声そのもののお芝居も素晴らしいのは言うまでもなく、呼吸音の操り方、それも口と鼻双方共に絶妙でそれが生生しさの演出に寄与している。
これがASMR2作目の技量かと驚かされるばかりだ。
シナリオも、羊宮さんの優しい声質には癒し系の作風が高い親和性を持つ事は周知の事実だが、そこにご本人の対外的なイメージとも乖離したギャルというキャラクターに合わせた事もまた素晴らしき妙案、この作品のキャッチーさとインパクトを高めている。
日常パートのギャルみとイチャコラパートのしおらしさの緩急のリズムに中毒症状を引き起こされざるを得ない。
また、声優になる事を夢みているというキャラ設定も、若手声優にカテゴライズされる羊宮さんともリンクする部分があり面白さに繋がっている。
声優羊宮妃那が好き、推して行きたい、追いかけていきたいと思う方にはマストバイな作品であると自信を持ってオススメできる。
ASMR2作品目にしてこんなハイレベルの作品が生まれてしまい演技脚本共に個人的にかなりハードルが上がってしまったが、次回があるならどのようなキャラクターに起用されるのか、ご本人の声優としてのキャリア共々楽しみである。