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ゲームを開始するとすぐ、プレイヤーに「謎」が手渡される。
その謎は不可解な形をしていて、すぐには解けそうもない。
気になってストーリーを読み進めていくと、謎は更に深まり、絡んで、余計に分からなくなる。
考えて解こうとする人ほどドツボにはまる、まるで知恵の輪のようだと思う。
このゲームはミステリー作品のように丁寧に読者を誘導したり、ヒントを出してくれたりはしない。
謎解きするように考察しながらプレイするのはかなり苦痛を伴うだろう。
しかしノベルゲームである以上、最後まで読み進めていけば必ず解が得られる。
途中までぐちゃぐちゃに見えていただけに、するりと外れる感覚を味わうのはカタルシスがある。
電波ゲーとあるが、狂気を描いた作品ではないので、そういう心配はいらない。
むしろテーマは友情や愛情といった人同士の心の関わり合いで、
和解の物語であり、内容は感動的な側面の強い作品と言えるかもしれない。
イラストはとてもかわいらしく、それがシナリオの凶暴さを和らげている。
音楽も効果的に使われており、演出が印象深い。
万人に勧められる作品ではないのは確かだが、
この幾何学的な形状の何かが、あなたの胸にも残るかもしれない。