原栄　萩さんのレビュー一覧

紗季ちゃんは終始脱力感あふれる態度でサービスをしてきますが、決してそれは不愉快ではなく、むしろいい意味でのゆるさがクセになる作品です。
シリーズ恒例となった耳かきの場面では、VOICE LOVER様の特徴である質の高い耳かきSEと紗季ちゃんの広島の食べ物についてのトークが楽しめます。
肩の力を抜いて気軽に楽しめる作品です。

耳かきを始める前の「静かな部屋へ」ではご主人様を毒舌で批判しながら準備をするのですが、「深呼吸~耳かきご奉仕」ではクールな口調だけど優しい耳かきを堪能することができます。
メイドさんのツンからデレへ、そしてクールからデレへの変化が楽しめる作品です。

「おやすみ前のリラックスボイス」シリーズ3作目となるこの作品であり、耳かき中の鼻歌な基本的な構成は以前の作品を踏襲しているものの、春香編や夏希編に比べると秋奈お姉ちゃんは結構おとなしい感じのキャラクターとなっており、より純粋な安眠用耳かき音声になっています。
秋奈お姉ちゃんを演じている和泉りゆ氏の優しい声は、聴き手を穏やかな眠りへと誘うことでしょう。

前作「NO MAID,NO LIFE I・II・III」と同じく作者さんのメイドに対する愛情とこだわりに満ちた作品となっているため、メイド属性持ちの方や、前作を読んで面白いと思った方なら買って損はない作品です。
肝心の内容は、前作にも登場した眼鏡をかけたメイドのさくらさんの意外な過去が描かれています。

まず、以下の5項目のうち1つでも当てはまるのならば、本作品を購入をお勧めしたいです。

(1)　最近精神的に弱っている
(2)　タイプは明るく前向きな女の子
(3)　耳かきの音声作品が好きだ
(4)　眠りたいのに眠れないときがある
(5)　紬愛莉ちゃんは俺の嫁

前作品の「ご耳愛部!」を聴いて紬愛莉ちゃんの明るくて前向きなキャラクターを気に入った方、もしくは体験版を聴いて気に入った方ならばこの作品を購入して損はないと思います。
さくら真咲氏の演じる紬愛莉ちゃんの明るいけど決してうるさい感じではない声、夏を感じさせる風鈴などの効果音、そして聴き手を心地よい眠りに誘う穏やかな耳かきの効果音、それらが一体となったこの作品は安眠効果抜群ですが、この作品はその安眠効果の強さゆえ、自動車の運転中など眠ってはいけない状況下における視聴は絶対に避けるべきです。

葉奈琵ちゃんは「あまえた楼」シリーズの中でも1,2を争う程の甘えん坊な女の子で、序盤ではかなりリアルな猫の鳴き真似をした後にすごく甘えられますが、中盤に差し掛かったころに始まるお約束の耳かきの場面ではちょっぴりSな一面を見せてきます。
本作品では愛知県東部の方言である三河弁を取り入れていますが、この作品を聴く限りでは紹介文にもある通りとても可愛らしい方言だなと感じました。

「イヤートリートメントサロン・オレイユ」シリーズ第2作となる本作品ですが、第1作の柏木さんが必要なこと以外はほとんど話さず、事務的で落ち着いた感じの施術をしていたのに対し、早川さんは積極的におしゃべりしながら施術をしてきます。
早川さんはドジっ娘属性のキャラクターですが、そこはご愛嬌です。
柏木さんと早川さんは好対照をなしているキャラクターなので、前作を聴いた方にとっては新鮮な心地よさを味わえると思いますし、もちろん前作を聴いていなくても十分に楽しめるでしょう。

変な比喩かもしれませんが、夏希お姉ちゃんは夏の早朝のように明るくて元気なキャラクターで、作品を聴いていると癒されるだけではなく聴いているこっちも明るく元気になるような気がします。
前作に続いて耳かき中に短い鼻歌を歌う場面があり個人的にはとても好きなので、次回作でも鼻歌をとり入れて欲しいです。

夏希お姉ちゃんの鼻歌、可愛いですよ。

作品紹介にもあろとおり、雨の日にしか会えない優雨(ゆう)は人外のキャラクターです。
しかしながら、優雨は人外のキャラクター特有の得体の知れなさが極力排除されており、人外モノをだいぶ苦手とする私でも癒しを得ることができました。
体験版を視聴すればお分かりになるかと思いますが、野上菜月氏が演じておられる優雨は女性としては低い声で、なおかつゆっくりと丁寧に話しかけてくるので、聴いていてとても癒されます。

VOICE LOVER様はこれまでにも質の高い音声作品をいくつも発表してこられましたが、この作品も例にもれず高品質です。
卯月にあ氏が演じておられる本作品のヒロイン・紫陽(ゆかり)の優しく落ち着いた声と雨音のSE、それに若干甲高い耳かきのSEの相乗効果によって聴き手を癒しながら眠りに誘うことでしょう。
トラック02の終盤に、最初に聴いたときは少し驚くかもしれない場面があるのですが、私はその場面をとても気に入ってしまいましたが、それがどんな場面かは聴いてからのお楽しみです。

ジメジメした気分を吹き飛ばしてくれる、梅雨時でなくても癒される作品です。