電子書籍 > イースト・プレス > 魔都に散る純潔の薔薇

         
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販売日 2011年06月14日
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全年齢
作品形式
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その他
ページ数164
ジャンル
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作品内容

大正14年・上海。副領事に着任したばかりの花園伯爵家次男の麻尋は、
ダンスホールでヤクザの幹部、陳に襲われかけたところを凄腕の殺し屋、紅仁に助けられる。
日本で兄嫁との醜聞に傷つき、死ぬつもりで魔都・上海へとやってきた麻尋だったが、
この闇色の瞳をもつ偉丈夫、紅仁との出会いが少しずつ彼を変えていく。

そんな折、麻尋に執着する陳に再び囚われて…。

危険に艶めく快楽の浪漫!

イラスト 前田紅葉

■本文より
「試しただけだ。……悪かったよ。もうしない」
 真顔で謝られて、さっきのこともあるからまだ多少警戒しながら、麻尋は男を見つめ返した。
 でも、本当に反省しているらしく、紅仁は同じベッドの上の身を気遣うみたいに麻尋からいくらか離しさえする。
 紅仁がいったい麻尋の何を試したかったのかと困惑は消せなかったものの、下手に訊(き)けば藪蛇(やぶへび)になりそうな気がして口にできない。
「気分はどうだ?」
 そうして、もう不穏な気配などどこにも感じさせない男に怪我の具合を案じられて、麻尋は腹立たしさを感じても、これ以上怒ることはできなかった。
 だいたい、子供の頃だって誰かに添い寝してもらったことなどない。恋人もいなかったから、同じベッドの中で誰かと話をした経験のない麻尋は、紅仁との距離がひどく居心地が悪い。
 心臓が変なふうにどきどきするし、顔まで火照ってくる。それに、いくら男同士とはいえ、この男は赤の他人の麻尋の前でどうして裸になれるのかと、羞恥心の足りない相手を胸の内でなじった。
 紅仁が上半身ばかりか長い足の先まで何も身につけていないことは、組み敷かれた時にわかってしまった。
 中国人の紅仁と習慣の違いがあるのは当然とはいえ、あまりにも礼を欠いているのではないかと恨めしく思う。
 第一、人が寝ているベッドに潜り込んでくるなど、礼儀以前の問題だ。それとも、青幇のヤクザ者に礼儀を求めようとする麻尋のほうが間違っているのだろうか。
 あのキスだってと、無言でさらに男をなじりかけて、つい男の艶(つや)めいた唇が目に入る。あの唇で熱っぽく吸われ、口腔どころか胸の中までかき乱されたのだと思うと、よけい動悸が速くなる。
「悪くない……」
 結局、麻尋は男に苦情も言えずに、ゆうべほど頭痛に悩まされることもなく、怪我の痛み以外の体調はよくなったとおとなしく答えた。
 いくらか冷静になってみると、キスの件はともかく、暴徒から助けてくれた紅仁に自分のほうこそ失礼なことを言ったのではないかと気になってくる。知らなかったこととはいえ、紅仁のベッドでぐっすり眠りこけていたのは麻尋のほうだ。
 いくら広いベッドだといっても、男二人がゆっくり眠るには少し無理がある。横になっていても、紅仁が麻尋の隣でよく眠れたとは思えなかった。
「ずっと起きていたのか?」
 自分のせいで、紅仁が休めなかったのではないかと訊(たず)ねていた。ひょっとしたら、紅仁は一晩中、麻尋が悪夢にうなされないように見守ってくれていたのかもしれない。
「少しは眠った。俺はこういう仕事だからな。ゆっくり眠るということはない」
 殺し屋というのは寝ている時間すら常に緊張を強いられる仕事なのだろうと、紅仁の口振りから察しがついた。人の命を奪うということは、自分もそれだけの危険を背負うものなのかもしれない。
 紅仁は、自分が殺し屋の家に生まれて、否応なくこうして生きているのだと言った。
 けれど、そんな生き方をしてつらくはないのだろうか。嫌になることはないのかと、不思議な思いで男の整ったおもてを見つめた。
「よく体が保つな」
「慣れているからな」
 あっさりと答える紅仁は、生まれついての殺人者などいないとしても、かなり幼い時期からそんなふうに育てられてきたのだろう。麻尋には想像もつかない人生だ。

作品情報/動作環境

作品番号
BJ008214
ファイル名/ファイル容量
BJ008214.zip / 9.69MB (10161352Byte)
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