よわよわぞうさん　旧名・原栄萩さんのレビュー一覧

この作品最大の聴きどころはシリーズ初となるマッサージの部分であり、愛莉ちゃんによる心のこもった頭皮と耳、そして肩のマッサージを擬似的に楽しめる作品です。
効果音やさくら真咲さんの演じる紬愛莉ちゃんの声ももちろんすばらしいのですが、野外レコーディングした鶯の鳴き声などの環境音のおかげで臨場感が格段に高まり、あたかも本当に春の部室で紬愛莉ちゃんに癒されているような感覚を味わうことができます。

春子ちゃんはふんわりほわほわした感じの女の子で、声を聴いていると春の適度に暖かい昼下がりのように眠くなってしまいます。
ゆえに、眠ることが許されない場所でこの作品を聴くことは厳に慎むべきでしょう。
しかし、眠りたいのに眠れないときには春子ちゃんが高確率であなたを安眠へと導いてくれるはずです。
添い寝のトラックは他の添い寝音声と比べるとお色気要素は控えめとなっており、どきどきしながら純粋に互いの温もりを感じて癒されるという全年齢向け作品としてふさわしい内容になっており、お色気要素を好まない方にもおすすめできる内容になっています。

高品質・低価格な耳かき音声で知られる「シロクマの嫁」様が平成27年4月に発表した当作品も、やはり聞き手の期待を裏切らないすばらしい作品です。
穏やかな声と話し方の桔梗も、とにかく可愛らしいアリスも、まだどこかあどけなさの残る葵も三者三様の魅力で聞き手を癒してくれます。
「基本めにゅー」ではシロクマの嫁様の作品では比較的珍しく会話控えめな内容となっており、最大の魅力である耳かきの効果音を存分に楽しむことができ、あえて会話を控えめにし、耳かきの音をメインにするところに効果音に対する絶対的な自信を感じます。
「指名めにゅー」では一転、キャラクターとの心温まるふれあいを違和感無く疑似体験できます。
最後に、作者の伊ヶ崎綾香さんの耳かきに対するすざましい情熱がこもった「おまけ」も忘れずに聴くことをおすすめします。

音撫屋様が制作した過去の作品と比べると、この作品は安眠特化型の作品であるといえます。
「02.囁きと耳かき」の序盤において、「これから私が話す内容は聞き流しても構わない」という趣旨の発言があるため、私のように音声作品を聴くときに身構えてしまう癖がある方でもリラックスして聴くことができる作品です。
「03.囁きと音と癒やし」では音撫屋様の作品の大きな特長である癒し効果抜群の効果音を楽しめます。
頭皮マッサージや耳マッサージなどの効果音からは耳かきとはまた違った心地よさを得ることができます。
「眠れない夜に」という題名にまったく嘘・偽りのない良い作品です。

「クールメイドさん」シリーズ恒例の耳かきに加えて、耳舐めや椅子に座った状態での首の付け根・頭・肩・足へのマッサージを楽しむことができます。
一般的に、マッサージの音声作品はマッサージされている感じを効果音で表現するものと声優さんの擬音で表現するものがありますが、本作品では珍しくその両方を併用しています。
リアルな効果音とわざとらしさのない擬音のバランスがとてもよく、どちらか片方だけしか使っていない作品では得られない心地よさを感じられます。
最後に、本編だけではなくプロローグとエピローグも必聴です。

バニーガールのコスチュームを着ている女性たちを描いたイラスト集なのですが、喜んで着ているイラストもあれば、無理やり着せられたイラストもあるなどシチュエーションは多様性に富んでいます。
個人的に最も気に入ったイラストは、夜のオフィスで職場の後輩の女性が嬉しそうにバニーガールのコスチュームを着ているイラストであり、背徳的で想像力をかき立てられました。
差分で黒ストッキングと生脚を選べるのは、バニーガールフェチにとっては嬉しいです。

「ネコミミ」と「巫女」はどちらもベタな属性ですが、この2つの属性を兼ね備えたキャラクターが登場する作品は私の知る限りほとんど無く、ありそうでなかった組み合わせのキャラクターです。
巫女さんの語尾に「にゃ」とか「にゃん」とかを付ける話し方はあざといけれどやっぱり可愛いです。
メインの耳かきも勿論すばらしいですが、その前の「リラックスお清め」も聴くと癒し効果が倍加するのでそちらも一緒に聴くことを強くおすすめします。

クーデレなメイドさんに相変わらず情けないと半ばあきれられながらも、大人びていて淡々としているけど愛情を感じられる声での優しく丁寧な耳かきを疑似体験できる作品です。
前半では毒舌を主人に向けることが多いですが、作品の中盤あたりから徐々にデレ始めてきて、最後にはメイドさんの本心を垣間見ることができる場面があります。
大人の女性としての気品が感じられる正統派のメイドさんが好きな方にお勧めしたい作品です。

作品に登場するメイド・瀬尾春香は最初の場面においてはとても緊張していてかしこまった態度で主人(=聞き手)に接しますが、耳かきをし始める場面からは次第に打ち解けていって次第に態度も言葉遣いも自然なものになっていきます。
主人とメイドという関係を弁えながらも、打ち解けていく過程がよく表現されており聴いていて楽しい作品です。
最後に、まことに勝手ながら夢音工房様には続編の製作を強く希望いたします。

すべて合わせても20分少々と、耳かきの音声作品としてはかなり短い作品ですが、聴き終える頃には寝落ち寸前の状態になっており、安眠効果の高い作品だと感じました。
肝心の内容は、少々ツンデレな妹による愛情たっぷりの耳かきとなっており、声優の和鳴(かずなり)るせ氏によるアドリブの部分もありますが、台本なしとは思えないほど上手に演じておられます。
妹の膝枕で甘いひとときを過ごしてみませんか?