晴臣さんのレビュー一覧

毎度毎度の捧腹絶倒。明るく健全なエロコメディ。ですが、第1話からずっと一本の壮大なストーリイに貫かれています。
なんとなく(最初は、そんな印象でした)他国に嫁いだ王女様が、その国の実権を握るは(なにせ、いきなり悪大臣とかを気軽に物理的に首チョンパです)、母国と簡単に行き来できるようにとトンネル突貫工事(このエピソードも滅茶面白い)させたのが、実は第三国のトンネル経由での侵略をうながして、その実、手薄になった第三国を瞬殺する目的だったとか。
いったい、この先、どう展開するんだろ。
まさか、33歳独身女騎士隊長の結婚式がラストエピソードではないですよね?

第1話の「ヤク中毒患者は(数年間も我慢できてたとは)鉄の意志の持ち主!」というエピソードからして、惚れ抜いていました。
今回も「●●するときは護衛に見られながらしなさい」という指導教官の忠告も、まさに捧腹絶倒でも真実ですね!
誰にも見られないように●●する=その最中に攫われても気づかれない。
ただ、まあ。これって、とてもエロい話になりそうなんですけど、絵柄がコメディなので、ほのぼのとしかなりません。そこがいいのか悪いのか……?

いや、まあ。魔王の存在とか、なぜ最初は弱小モンスターしか登場しないのかとか、論理的に考察して説得力を持たせると、たしかにこうなります。
「勇者の抹殺は世界征服の手段であって目的ではない」なんて秘書さんに説得されちゃいます。
　従来のRPGやファンタジー世界の「お約束」を現実的な論理でとことん追求して、全滅したら所持金が半分になる理由までちゃんと説明して。「そうだ、この世界は間違っていない」と納得させておいて。
　なんで、いきなりセクハラだの福利厚生だの持ち出すかなあ?　見事に噛み合っていないのに、噛み合ってしまいます。
　ここまで真面目に論理的にRPG世界を考察した作品は空前です!　そして抱腹絶倒です!!　SFにおける論理的整合性かくあるべし、です!!!
　作者さん。RPG世界をおちょくってるのか、本気で真面目に考察してるのか、もう訳がわかりません。
　しかし、とにかく。この作品を読んだ後では、あらゆるファンタジー世界・RPGが、まるきり違って見えます。
「純粋だったあの頃には、もう戻れないのね」なんて遠い目になっちゃいます。
　それでも、この作品は。
　Strongly recomended to read ! です。