一陣の光さんのレビュー一覧

キャラクターデザインが秀逸で、繊細な絵柄が記憶
に残る”秋津貴央”先生、表題作・1食目～5食目と電
子版限定特典が収録された、一巻目。
印象に残った収録作品は、仕事が忙しい、父親に代
わって家事を担っている”五十嵐舞”。自宅に戻ると
玄関先に、行き倒れている”三家環”がいて・・・な、
「1食目・お母さんの焼きおにぎり」。
読んでいて印象的だったのは、”舞”が作るごはんを
美味しそうに食べる”環”の姿。立ち位置を反転させ
ることで『バブみ』を生み、ほんわかした作品内の
空気感を醸成させています。”舞”も”環”も、それぞ
れ過酷な生い立ちを感じさせますが、一つのごはん
を二人仲良く食している姿は、ほのぼのとした読み
心地を読み手に残します。
秀逸なキャラクターデザインと絵柄が、作品の根幹
部分をしっかりと支えている表題作の一巻目。良作。

メンタル面まで取り込んだ競技としての陸上を
熱く描く”活火秀人”先生、”WEBコミックガン
マぷらす”に連載された表題作・第30走～第36
走を収録した、五巻目。
印象に残った収録作品は、”遠野美咲”は、次第
に大きくなる胸から、陸上への情熱を失いつつ
あったが、”金田コーチ”らとの出会いによって
再び、走ることへの情熱を取り戻してゆく彼女
の姿を描いた「第31走・心から走りたいっ!」。
読んでいて印象的だったのは、絵柄的な華やか
さを求めて超巨乳なメインヒロイン”遠野美咲”
などはじけそうな女体を描いてはいますが、そ
の本質は切磋琢磨する競技としての陸上を描い
て、メンタルな部分まで踏み込んで構成されて
いるところが本作の魅力ではないか、と、読ん
でいて感じました。
部員が女性ばかりなのに、女性慣れしていない
”金田コーチ”とか、コミカルだけど、その根幹
はパッシブな”活火秀人”先生、表題作の五巻目。

綺麗にまとまった大団円、という感想を読後に
抱いた”険持ちよ”先生、表題作・第28話から最
終話となる第36話までを収録した、最終巻。
印象に残った収録作品は、収まるところに綺麗
に収まった…「最終話・それぞれの日々」。
読んでいて印象的だったのは、好きなのにそれ
を素直に表現できなかったヒロイン”海”が、ク
ラスメートや周囲の人たちとの関わり合いの中
で、男性主人公”おじさん”との距離感を、少し
づつ、縮めてゆく姿を丁寧に描いていた点。ヒ
ロイン”海”の可愛いキャラクターデザインと共
に記憶に残る、お話でした。
終わってしまうのが、すこし寂しいけど、綺麗
にまとまった大団円を迎えた、四巻目で最終巻。

ファンタジーとSF(少し不思議)が融合した
世界観へ、生活感をプラスした独特な作品
世界が楽しめる”桑佳あさ”先生、表題作の
第61話から第68話までに特別編を収録した、
八巻目。
印象に残った収録作品は、『キーワード』
が妙にココロに刺さる年頃なのかも…な特
別編「兄的男子はるとくん」。
読んでいて印象的だったのは、結末へと確
実に歩みを進めながらも、今、その時を堪
能している”ひなた”の姿。”桑佳あさ”先生
ならでは、な、時間軸を巧みに操る作品世
界が確かな読後感を伴って読者を包みます。
個人的には、美形なお隣さん”山森こよみ”
の正体がとても気になる、表題作の八巻目。

"田村茜"先生の筆致が凄まじい勢いで上昇している
のを改めて実感する、表題作・第33話から第38話
までを収録した、七巻目。
印象に残った収録作品は、バイト仲間の”入江博基”
とお付き合いを始めたばかりの”ヒロイン”田中信子”
は、”博基”に誘われて学祭へ。校内を見て回るうち、
改めて、ふたりきり、なことに気がついて・・・な、
「第38話」。”信子”と”博基”らしい、ファーストキ
スな、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、巻数を重ねて、その
筆致が飛躍的に向上したこと。特に”信子”の表情は
確実に洗練されてきているのを実感しました。
ゆっくりと、しかし確実に、二人のつながりが前進
している、ほっこりとした読み心地の七巻目。良作。

ヒロインが、バラエティに富んだヘアースタイルを
することで毎回、新鮮なキャラクター・デザインを
保ち続けている”玉姫なお”先生、「祭りの後」1～3、
22話～28話を収録した、表題作・四巻目。
印象に残った収録作品は、彼氏・彼女として付き合
っている確かな『絆』が欲しい”忍野まこと”と、可
愛い”まこと”を大切にしたい”山田広幸”との錯綜す
るキモチを繊細に描いた「27話」。
読んでいて印象的だったのは、お互いが相手を大切
に想っているところを、繊細・丁寧に描いている点。
ふたりの想いが一体化しつつある、表題作の四巻目。

仕事一途で婚期を逃した女性上司と一夜を共にしたら
名器な彼女のカラダを、忘れられなくなる男性部下の
姿・・・”すぺしゃるじー”先生・”チンジャオ娘”共著
な表題作のデジタル・単行本。
印象に残ったのは、まるで『沼』の様に、陥没乳首で
処女な女性上司”沢村秋子”のカラダに溺れてゆく男性
部下”田中”。抱けば抱くほど、具合が良くなり、情が
うつる”秋子”へ執着心がわく”田中”の心情を、丁寧に
描きこんでいました。意図的にダウングレードさせた
”秋子”のキャラクターデザインが却って生々しい作品。

純情で優しい性格なのに、クールなルックスゆえに
演じている”篠田さん”と、素顔の彼女を知っている
”栗田くん”とのやりとりが楽しい”八木戸マト”先生
の作品集。
印象に残った収録作品は、対外的なイメージとその
ルックスゆえ、なにかと演じている”篠田さん”。が、
そんな彼女にも、限界というものがある・・・・な、
「第2話・泣き虫でいられること」。”篠田さん”の
優しい内面を知る”栗田くん”のナイスフォローが際
立った、お話でした。イイ味、醸し出している作品。

男子主人公”山口くん”のモノローグで淡々と展開して
ゆく流れが却って新鮮なsumie/作画・森崎緩/原作の
表題作・二巻目。
印象に残った収録作品は、気になっている”佐藤さん”
に目線がいっている”山口くん”だからこそ、気付いた
”佐藤さん”の異変・・・・な、「第8話 佐藤さんが
いない日々」。
読んでいて印象的だったのは”山口くん”、”佐藤さん”、
二人の会話が深まるにつれ、心の内が明確になってゆ
く流れ。特に、うすうす、気が付いていたものの明確
になった”山口くん”の、”佐藤さん”が好きな気持ちを、
繊細に綴ってゆく流れが本作・最大の妙味、なのかな
と感じました。
はっきり・スッキリとした描線のプリミティブな絵柄
も好印象な、表題作・コミカライズシリーズの二巻目。

個性的なのは、ヒロインではなく男子主人公のほう
だったりする”八木戸マト(焼きトマト)”先生、表題
作・1話～6.5話を収録した、短篇集。
印象に残った収録作品は、幼馴染で、身の廻りの世
話をしてもらっているヒロイン”心音優菜”への想い
を、自覚なく、伝えてる”悠くん”・・・・な、3話
「もう伝わってる」。
読んでいて印象的だったのは、前髪ぱっつんで眼鏡、
だけど巨乳なヒロイン”心音優菜”よりも、キャラが
立ってる”悠くん”の存在感。内心、思っていること
が、口をついてダダ漏れな”悠くん”に、ベタ惚れな
”優菜”の気持ちが、よく理解できる短篇作品でした。