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作中に登場するセリフの中にある「女が犯されて喜んでいると思ったら大間違い」「そんな女いるわけないじゃない」というコレ。

本当に、ここに象徴されるように、女性キャラクターの視点を大事にしてストーリーを組み立てている点がとてもよくできていると感じます。

もちろんオムニバス形式なので、全てがここをテーマにしているわけではないけれど、男にとって都合の良い内容が増えている昨今、こうした作品ももっと注目を集めていいと思いました。

全体を通して、女性の側としての視点を大事している点がとても特徴的ですね。

確かにこれまで自分が読んできた、いわゆるかわいらしい絵柄のえろまんがでもそういった空気感を持たせる作品もありましたが、たいていの場合においては男にとって都合のいい感じが強く、ややリアル感に欠けてしまうのがもったいなく感じる場合も多くありました。

だからこそ、こうした雰囲気でかたちづくられているのはとても魅力的であり、この作品ならではの長所であると思います。

オムニバス形式でつむがれる、女性の視点を大事にした「大人」向けのエロ漫画ですね。

成年向けであるからこそ、当然「大人」が読む内容というのは当然であり、間違いないのですが、そういう単純な話ではなくて、キャラクターごとの思惑だとか、そういったストーリーのつくり込みにおいて、安直な組み立て方ではない、アダルトな魅力のある作風と仕上がっているとの意味で、これはすごく「大人」な内容なのだと感じます。

劇画作品ならではというんでしょうか、ストーリーをしっかりと読ませるような作りこんだ内容になっているのが大前提ではあるのですが、その一方で、全体的な雰囲気は比較的明るい印象で、気軽に読める雰囲気があると感じます。

正直なところ、1巻目の第1話の時点ではかなりシリアスな空気があったので、そういった系統の内容と思っていただけに、自分としてはとても入りやすい作品であったのはとても好印象ですね。

普段はあまり劇画などに触れてこなかった分、こうした本格的にストーリーを読ませる方向性のサスペンスものという傾向にあるエロマンガがすごく新鮮でおもしろいです。

また、画力も非常に秀逸で、どのような時代にあっても見劣りすることのない永遠の美しさをはらんでいるとも感じました。
近年ではデッサンなどがおろそかになってしまっている作家さんも実は多いので、丁寧な女性の美を追求したこうした作画は、本当に感動に価すると思っています。

劇画と言うんでしょうか、こういったカテゴリーに属するマンガを普段あまり読むことのない自分にとっては新鮮味を覚える味わいの内容でしたね。

女性の美しさと怖さをテーマにしたストーリーは、安直なエロ本というものよりも、本格的なミステリー要素が強く、そこにどのようにアダルト表現を含むのかと言った部分も、とても興味深く読ませてもらいました。
だからこそ続きに手を伸ばしたくなる作品だと感じます。